【大山文兄のV1ウオッチ#38】コールサインに隠された序列の真実?
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V1スポット(手前)に駐機する韓国の大統領専用特別機(ボーイング747-400・機体番号10001)と、奧はV2スポットに駐機する中国の特別機(ボーイング747-89L・機体番号B-2480) =9日午前、羽田空港(大山文兄撮影)キヤノン EOS-1D X:EF24-105mm F4L IS USM
8日午後、中国の李克強・国務院首相が日中韓サミット開催にあわせ公賓として来日しました。9日午前には韓国の文在寅・大統領が日中韓サミットのため来日。カラーリングの違う2機のジャンボ機が羽田空港のV1、V2スポットに駐機する姿は、これまで冷え切っていた両国との雪解けをアピールしました。
約1年ぶりとなるV1ウオッチの更新です。一部の方から「会社を辞めたのか?」との連絡まで頂きました。ただ単にデスク業務が忙しく、とても羽田に向かう気力も時間もなかったのです。今月からは環境も整い、今後も可能な限り取材を続けたいと思っております。
さて、一般の方にはほとんど知られていないのですが、中国、韓国ともに政府(大統領)専用機を保有しておりません。今回、李首相が来日に使用した機体は中国国際航空のチャーター機(ボーイング747-89L)です。普段はコマーシャル便として使用されており、機体に描かれている巨大な中国国旗も中国国際航空のカラーリングです。
そして韓国の10001(この世界では機体番号で呼びます)は、非常に悩ましい機体です。日本に来日する要人は政府(大統領)専用機、空軍機、特別機(チャーター機)、コマーシャル便このいずれかで来日します。しかし10001の所有者は大韓航空で、韓国政府がその機体をリースし韓国空軍が運用しているのです。
V1ウオッチでは、政府専用機はその国の政府または空軍が所有し、いくら大金を積んでも自分が搭乗することができない機体を指しています。そうなると10001は限りなく大統領専用機に近いです。なぜなら所有者以外は基準を満たしており、韓国大統領以外は外遊に使用できません。そこで新たに大統領専用特別機というカテゴリーを設けました。
そしてここからが本題です。今回の来日で私が注目したのは、エア・チャイナ・スリー(CA3)という李首相搭乗機のコールサイン。要人搭乗機のコールサインはその国での序列を使用することが多く、李首相の序列は習近平国家主席に次ぐ2番目のはずです。ならばなぜCA2ではなくCA3が使用されたのか。
エア・チャイナは中国国際航空のコールサイン。その後の数字は1機ずつを識別する番号です。中国人の数字へのこだわりは日本人以上。特に8を縁起や金運の数字として好むことは有名です。2は調和、円満などの意味を持ち、偶数の中では好まれそうです。そして3という数字は奇数そのものが発展的とされ、今回あえて偶数ではなく奇数である3を選んだ可能性も考えられます。
ここから先はV1ウオッチ的な妄想なのですが、3という数字が意味するもの、それは李首相の党内のにおける序列なのではないのか。この妄想の伏線として今年3月に開催された全国人民代表大会(全人代)があります。李首相と習主席の仲は冷え切っていると噂され、習主席の盟友とされる王岐山氏が国家副主席に選出されました。王副主席は事実上のナンバー2とされており、コールサインにも序列が表れてしまったのではないか。
中国ウォッチャーによると「王副主席は昨年政治局常務委員を退いており、序列は李首相より格が下」と解説しますが、常務委員を退いた王氏が副主席に起用されること自体が異例のことです。そして「たまたま3が使われただけ」との見方をしますが、私には納得ができません。それならば李首相の外遊を調べ、過去1年分のコールサインを振り返ることにしました。
コールサインを打ち込めば簡単に調べられると思っていた過去の履歴、ところが特別機は対象外でした。そこで中国国際航空が保有するボーイング747-400型3機、747-89L型7機の計10機の履歴から調べることに。なんと!コールサインCA3は過去1年間で全人代後となる今回の来日にしか使用されていないことが判明したのです。
続いて本来の序列であるCA2を丹念に探しました。しかし何度見直しても過去1年間に1度も使用されていないのです。CA2が存在しなければ李首相の序列降格という推理はただの妄想に終わってしまいます。もしかして外遊には出ていないのか?
今度は外遊日程から搭乗機のコールサインを割り出しました。昨年11月12日のフィリピン訪問ではCA23、11月26日のハンガリー訪問ではCA24、なんと!序列とは全く関係のない数字ばかりです。そんなはずはないと、習主席のコールサインも調べたのですが、昨年11月のベトナム訪問ではCA22、7月のロシア訪問ではCA15、6月のカザフスタン訪問ではCA11、序列1位を表すCA1すら使われていませんでした。
妄想から始まった2日間に及ぶ調査、今回、特別機のコールサインと序列との関連性を見つけることはできませんでした。それでも無駄だとは思っていません。要人来日取材には過去の実績が重要となり、今後の機体発見などに必ず生かされると信じているからです。そしてまだ調査していないのが王副主席の外遊にどんなコールサインが使用されるのか…。もしかしてCA2?妄想はまだまだ続きます。(写真報道局・大山文兄)
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2018年5月8日のまとめ
【中華人民共和国・特別機】
搭乗者:李克強・中国国務院総理
来日目的:公賓
運行:中国国際航空
使用機材:Boeing 747-89L
機体番号:B-2480
コールサイン:エア・チャイナ・ゼロ・ゼロ・スリー(CA3)
使用滑走路:RW34L
スポット:V2(スポットイン19:29)
2018年5月9日のまとめ
【大韓民国・大統領専用特別機】
搭乗者:文在寅・韓国大統領
来日目的:日中韓サミット出席のため
運行:大韓民国空軍
使用機材:Boeing 747-400
機体番号:10001
コールサイン:コリアン・フォースまたはキロ、パパ、フォックストロット・ゼロ・ゼロ・ワン(KPF001)
使用滑走路:RW34R
スポット:V1(スポットイン9:05)(スポットアウト18:20)
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