緊迫・南シナ海

中国に対抗、フィリピン5基地を米軍拠点に 撤退から一転、防衛協力強化に合意

 【ワシントン=青木伸行】米、フィリピン両政府は18日、ワシントンで6回目となる戦略対話を行い、フィリピン空軍基地5カ所を米軍の拠点とすることで合意した。南シナ海で実効支配を強化する中国に対抗するための措置。カーター米国防長官が4月、フィリピンを訪問し、運用の詳細を協議する見通しだ。

 米軍は1992年までにフィリピンから完全撤退したが、2014年4月に再駐留を認める「米比防衛協力強化協定」を締結した。今回の措置は同協定に基づいている。

 合意された拠点は、(1)スプラトリー(南沙)諸島に近いパラワン島のプエルトプリンセサにあるアントニオ・バウティスタ基地(2)中国の艦船が居座るスカボロー礁をにらむルソン島のバサ、フォート・マグサイサイ両基地(3)ミンダナオ島のルンビア基地(4)マクタン島のマクタンベニト・エブエン基地-となっている。

 軍事筋によると、フィリピン側は米軍の駐留先として、クラーク旧米空軍基地を含む8カ所を提示していたが、合意には含まれていない。今回は航空戦力が主体で、海軍基地などが今後、追加的に随時合意される可能性がある。

 米軍のリバランス(再均衡戦略)に対抗し、南シナ海の軍事拠点化を急ピッチで進めている中国に対し、米側も戦力のフィリピンへの前方展開を急ぐ方針だ。ラッセル米国務次官補も戦略対話で、「合意は同盟強化などを加速させる」と強調した。

 両政府は会議後に共同声明を発表し、中国による南シナ海の軍事拠点化に「強い反対」を改めて表明。フィリピンが南シナ海問題をめぐり、中国を相手取り訴えた常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判断が出された際には、これに従うよう中国に求めた。

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