自民・公明の大阪市議団に百田尚樹氏が怒り「日本人の名誉ほったらかし」 サンフランシスコ市慰安婦像問題で姉妹都市解消反対に

百田尚樹さん

 米サンフランシスコ市議会が、在米中国系民間団体が設置した慰安婦像と碑文の寄贈を受け入れる決議を可決した問題をめぐり、姉妹都市の解消を検討している大阪市の吉村洋文市長(大阪維新の会政調会長)に対する大阪市議会の足並みが乱れている。22日、維新市議団は受け入れが最終決定した場合、関係解消に向けて動くよう要請したが、自民、公明両党市議団は解消に反対し、再検討を求める申し入れをしたのだ。市議会の「維新VS自民・公明」という対立構図が、事実無根の内容で日本をおとしめる慰安婦像・碑文への対応にも持ち込まれた形だ。こうした状況について、慰安婦問題に詳しい作家の百田尚樹さんは「市議会は一致団結してサンフランシスコ市に毅然とした態度を示すべきなのに、自民市議団などは党利党略で動いている」と強い口調で批判した。

日米離反の思惑に乗ってしまう?

 サンフランシスコ市議会は14日(現地時間)に決議を全会一致で可決。エドウィン・M・リー市長が24日までに拒否権を行使しなければ、自動的に受け入れが執行される。

 大阪市議会では5月と9月にサンフランシスコ市へ公共物化の再検討を求める決議案が提案されたが、提案者の維新をのぞく自民、公明、共産などの反対で2度にわたり否決。吉村市長が姉妹都市解消の意向を示した9月以降、市議会として一致した決議や市長への要望などを検討していたが各会派の主張の溝は埋まらず、別々に申し入れを行った。

 自民市議団の黒田當士(まさし)幹事長は申し入れ後、公明市議団の土岐恭生(やすお)幹事長とともに記者団の取材に応じ、「慰安婦像の設置、慰安婦の日制定には一貫して断固反対だ」と述べた上で、中国・韓国系団体による日米分離の思惑に乗ることは国益を損なうと指摘した。国と連携しながら「解消ではなく交流の中で解決に向け努力していくべきだ」と申し入れたことを明らかにした。吉村市長から前向きな回答はなかったという。

 これに対し、維新市議団は、吉村市長が複数回にわたってリー市長宛ての書簡で懸念を表明し、拒否権行使を求めたり、日本政府としても同様の要請をしたりしていることを挙げ、「市としても国としてもやるべきことは尽くしてきた」と強調。辻淳子幹事長は「リー市長が公共物化を受け入れるのなら、姉妹都市解消はやむを得ないと思う」と述べ、吉村市長の意向を支持する姿勢を示した。

百田さん、自公の対応は「維新憎し」だけと批判

 こうした市議会の状況について、百田さんは「大阪市や市議会はサンフランシスコ市に毅然とした態度をとるべきだ。お互いに親善の意を示してこその姉妹都市。日本をおとしめようとしているところと姉妹都市を続ける理由はない。安倍晋三首相も政府として申し入れ、向こうの市長に拒否権を行使するよう要請しているではないか」と指摘。その上で「大阪の自民党の地方議員は『維新憎し』。それだけでサンフランシスコ市との姉妹都市関係の解消に反対し、日本人の名誉をほったらかしにしている。言語道断だ」と批判した。

 自民、公明両党市議団による「サンフランシスコ市との姉妹都市提携解消に関する申し入れ」は次の通り。

◇

 我々は、サンフランシスコ市の慰安婦像・碑文の設置、及び慰安婦の日の制定に関しては、一貫して「反対」しております。

 そのうえで、この問題については、国と綿密な連携を取り、姉妹都市の解消ではなく交流を通じて解決に努めることを求めます。

 【理由】

 (1)慰安婦像設置の問題は、サンフランシスコ市に留まらず全米に広がりつつある状況です。こうした背景を受け、政府(外務省)も取り組みを進めており、地方自治体では計り知れないほど複雑な事案もあるため、地方自治体の行為によって外交交渉に影響を与えてはいけないと考えます。

 (2)慰安婦像設置の動きには、中国・韓国系の団体が全米で動いており、本来は日本とアメリカの問題ではなく、日本と中国・韓国の問題です。これは、平成27年12月に日韓両政府が発表した「最終的かつ不可逆的に解決する」と合意がなされています。昨今の北朝鮮問題など東アジアの安全保障上の課題を考えると、日米同盟を強固なものにしなければなりません。外交・防衛上、中国・韓国系の団体の思惑にのることは国益に反することになります。

 (3)姉妹都市交流は、大阪市、大阪市会、大阪市民の長年にわたる不断の努力によって培われた財産です。吉村市長におかれましては、この60年という歴史を重く受け止め、姉妹都市の解消を検討するのではなく、姉妹都市の交流を更に進め、対話を通した解決に向け努力すべきだと考えます。

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