県はナラの木を枯死させるカビ「ナラ菌」を運ぶ甲虫(こうちゅう)の一種、「カシノナガキクイムシ」(カシナガ)を県内で初めて、南部町万沢の森林内で生息を確認したと発表した。生息密度が低いとみられ、感染木は確認されていないが、県ではカシナガが毎年6月ごろ活動を活発化するため、その前に森林所有者、市町村、森林組合などに注意を喚起して、被害木を見つけた際の情報提供を呼びかけることにした。
県森林整備課によると、全国的に被害が拡大した平成21年度から県内でカシナガ生息調査を実施して、近年、静岡県内でナラ枯れ被害が増加したことから、県境の森林を注視。山林内にカシナガが好む臭いがする人工フェロモンを入れた捕獲器を設置し、今月に入って甲虫22頭を捕獲した。甲虫の正体を確認するため、熊本県の森林総合研究所九州支所で調べた結果、カシナガと分かった。
カシナガは体長5ミリ。健康なミズナラやコナラの木を好み、幹に穴を掘って侵入、幼虫を育てるが、メスの体にナラ菌が付着していて、樹木内にナラ菌が持ち込まれる。
ナラ菌に感染した木は通水機能を失い、1~2週間で枯れる。大量のカシナガが侵入した木の根元には木くずが見られ、被害木と分かるという。
幼虫は6月に羽化して、健康なナラの木を探して侵入し、被害を拡大させる。県では被害木を発見した場合に伐採するほか、薬剤によるカシナガ駆除を行い、被害の拡大を防ぐことにしている。



