県やオーストリア大使館商務部などが主催する「オーストリア森林フォーラムin長野」が5日、長野市内で開かれ、県内外の林業関係者約500人が世界で最も進んだ森林産業先進国の取り組みを学んだ。来日した同国のアンドレー・ルップレヒター農林環境水資源管理省大臣は、「森林は林業だけでなく木質バイオマスによるエネルギー利用、観光やレジャーにも重要な要素として付加価値の創造を可能にしている」と述べ、森の恩恵を強調した。
セミナーは、国土の4割以上を森林が占めて急峻(きゅうしゅん)な地形ながら、ハイテク化により国内総生産の1割近くに達するオーストリアの森林産業を学ぶために開かれた。同国はまた、森林のエネルギー資源としての活用などの面でも先進的な取り組みを進めており、県の施策に反映させる道筋を探る狙いもある。
阿部守一知事は10月26日から8日間の日程でオーストリアを訪問し、ルップレヒター大臣と農林業や木材産業などの技術交流に関する覚書に調印した。今後、県と同国との間で人的交流や調査団派遣など森林外交の活発化が期待される。
セミナーの開会にあたり、ルップレヒター大臣は「長野県が地方創生の方向性として林業と観光を選んだのは重要だ。オーストリアを手本として専門的知識を活用してほしい」と県の取り組みにエールを送った。これに対し阿部知事は「県土の8割を森林が占めるが、必ずしも有効に活用できておらず、林業が経済的に自立できる方策が必要だ。オーストリアとの覚書締結で大きな一歩を踏み出すことができた」と応えていた。
セミナーでは、同国が誇る最先端林業機械や木質バイオマス関連機器の展示会・商談会なども開催され、参加者たちは強い関心を示していた。



