大北森林組合(大町市)が県発注の森林整備事業の補助金を不正に受給していた問題で、県は7日、部局長会議を開き、組合を補助金適正化法違反で来週中にも刑事告発することを決めた。また、有識者による検証委員会が「不適正」と判断した補助金受給額全体の約14億7900万円のうち、組合に対する1回目の返還請求として、平成22年8月に交付決定した間伐や森林作業道整備などの補助金28件、6993万7千円について行うことを決めた。
地方自治法で交付した補助金は過去5年以内分しか返還を求めることができないため、消滅時効が迫っているものをまず1回目として返還請求することにした。現地調査を急いでおり、14日までに補助金交付規則に基づいて交付決定の取り消しと返還請求を行う。22年8月より前に交付決定が行われ、時効が過ぎているために返還請求ができない不正受給は約5億5200万円。
県は、事業が施行済みであるとして補助金交付申請がなされたものの、手が付けられていない「未施工」の事業を「架空申請」と見なし、補助金の交付決定を取り消して返還を求める方針だ。2回目以降の返還請求も、消滅時効をにらみながら順次、個々の事業ごとに現地確認などで内容を調査したうえで判断していく。
また、県は不正受給にかかわった当時の北安曇地方事務所林務課の職員に対して、責任を明確にするため、処分に向けた手続きを開始していることを明らかにした。今後、職員分限懲戒審査会の審査を経て、厳正に処分するとしている。
再発防止に向けては、林務部にコンプライアンス推進本部を設置し、9月上旬までに行動計画をまとめて、組織のあり方の刷新や補助事業の適正化などを進める。また、県庁全体でもコンプライアンス推進室を9月1日付で設置。外部からの専門家を招いて「コンプライアンス推進参与(仮称)」を設け、県職員全体の意識改革を図る。
阿部守一知事は刑事告発や返還請求などの決定に向けて、「組合に対する対応は厳しく行っていかなければいけない」と表明。再発防止に向けた県組織の見直しについても、「県民の期待に応え、強く信頼される日本で最も素晴らしい組織にしていく契機にしなければいけない」と強調した。



