外国人と自由に会話ができたら-。そんな願いをかなえるドラえもんの道具のような便利グッズやサービスが続々と開発されている。2020年東京五輪・パラリンピックを控え、訪日外国人客が増え続ける中、実用化目前の夢の道具は、「情報を多くの人に伝えたい」「相手の目を見て話したい」といった、日本のおもてなし精神にあふれていた。
メガホンに話すだけ 4カ国語の使い手に!
今年4月17日、成田空港(千葉県成田市)の3つのビルでは外国人観光客ら計約3千人がロビーのベンチや床に座って夜を明かしていた。強風のため国際便の到着が深夜にずれ込み、出発できないなど大幅な遅れが発生。空港周辺の電車も止まり、行き場を失ったのだ。
そのとき、メガホンを持った空港職員が「無料で寝袋を配布しています」と日本語、英語、中国語、韓国語でアナウンス。広いロビーのあちこちから集まってきた多くの人に寝袋やビスケットが配布された。
アナウンスしたのは、さぞや語学ができる職員なのかと思いきや、秘密は手にしたメガホンにあった。
職員が持っていたのは、パナソニック(大阪)が開発中の翻訳機能つき拡声器「メガホンヤク」。ドラえもんの秘密道具「ほんやくコンニャク」は、一度ほんやくコンニャクを食べなければいけないが、こちらはメガホンに話すだけで、日本語を一旦録音して翻訳、4カ国語でのアナウンスを可能にする優れものだ。
成田空港会社によると、緊急時の物資配布は以前から行っていたが、館内放送で呼びかけても聞き流されてしまい、あまり伝わっていなかったという。4月のトラブル時に対応した同社のIT推進部、松本英久マネージャーは「すぐに声かけに気付いてもらえ、英語圏以外の人にも的確な案内ができた」と振り返る。
ペンダント型など会話用の翻訳機を開発しているパナソニックが、「一斉に大勢の人に翻訳を伝えられるものを」と1年半ほど前にメガホンヤクを発案。改良を重ね、試作品を昨年12月から成田空港や警視庁など約30の会社などに使ってもらっていたが、12月20日から正式に法人向けのサービス提供を始めることが決まった。
翻訳の正確性を重視し、約300の定型文を内蔵する。価格は定型文の更新などのメンテナンスも含めた3年契約で、月額1万円台後半となる見通し。翻訳機単体での販売はしない。
パナソニック無線ソリューション開発部の田中和之課長は、「東京五輪の開かれる2020年は訪日外国人の一つのピークになる。そのころには翻訳できる言語も増やし、定型文以外も翻訳できるよう、ある程度のところまで到達したい」と話す。
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一方、「神戸デジタル・ラボ」(神戸市)は「テレパシージャパン」(東京)など複数メーカーのメガネ型端末をかけるだけで、日本語と外国語のやり取りができる翻訳ソフトを開発した。




