中国で「品行方正」に振る舞う人が増えてきた。
店舗での支払い、公共料金の納付、タクシー料金支払いなど、キャッシュレス化が急速に進むあらゆる決済シーンで、銀行口座に直結した実名登録済みのスマホから集まる信用度が利用者ごとに点数付けされるようになったからだ。
正しく支払ったか、という基本情報のみならず、スマホでタクシーを呼んだ場合、急なキャンセルをしなかったかどうか、シェア自転車なら、指定された白い枠内に正しく返却したかどうかなど、利用者の行動が逐一、チェックされる。
30分で利用料金1元(約17円)のシェア自転車。荷物かごなどを盗んだり壊したりする行為が確認されると、信用度は急低下。次回から利用料金が100元に跳ね上がる。
しかも信用度が大きく下がれば、高速鉄道や航空機の利用が今後、厳しく制限されることになった。逆に信用度が上がれば優遇措置も数多く享受できる。
中国のキャッシュレス社会を先進性の証しと喧伝(けんでん)する向きもある。だが、罰則で人々に品行方正を強要せざるを得ないのなら、それは性悪説の証しだ。罰則などなくとも、品性ある行動が日常の日本人には、個人の信用がスマホ経由で点数化される社会は奇異に映る。(河崎真澄)



