赤の広場で

行き過ぎたプーチン礼賛は失敗

 「もし偉大な司令官が最後の戦いを呼びかけるなら、ジャージャ・ボーバ(プーチン大統領)よ、私たちはあなたとともにある」

 「島々をサムライに渡すことは永遠にない」

 「アラスカを祖国の手に戻せ」

 支局のロシア人スタッフが「変な歌がネットで話題になっていますよ」と教えてくれ、聞いた曲の歌詞だ。熱唱しているのはロシア南部の警察学校の少年少女たち。一緒に歌っていた同地域選出の女性議員が動画制作を主導したという。

 歌は4分以上続いたが、とても全部を聞く気にはなれなかった。来春の大統領選前に子供まで巻き込みプーチン氏を礼賛し、愛国者ぶりをアピールする意図がうかがえた。常軌を逸した行為には海外からだけでなく、露国内のネットユーザーからも批判が相次いだが、議員は「もっと愛国教育を充実させねばならないことが分かった」と開き直ったという。

 プーチン氏の支持率は80%超で、出馬すれば勝利は確実視される。それでも議員のようにプーチン氏を公に礼賛する行為が相次いでいて、クレムリンの同意を得ているとの見方もある。

 周囲が無理にプーチン氏をもり立てようとして、逆に失敗している印象だ。そんな行為がなぜ必要なのか、いぶかっている。(黒川信雄)

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