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【世界記憶遺産】ユネスコ、制度改善へ 「政治利用」防止へ一歩

【世界記憶遺産】ユネスコ、制度改善へ 「政治利用」防止へ一歩

6日、パリのユネスコ本部でイリナ・ボコバ事務局長(右)と握手する馳浩文科相(宮下日出男撮影)

 【パリ=宮下日出男】中国の「南京大虐殺文書」の記憶遺産への登録問題を受け、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が制度改善の検討に入った。歴史問題に絡めたユネスコの「政治利用」防止への一歩だが、規約変更はメンバー国の一部で構成される執行委員会での合意が原則とされ、2017年の次回登録審査で慰安婦関連資料を韓国と共同申請するとみられる中国が反対する可能性がある。日本としては改革実現に向け、継続的な働きかけが不可欠となる。

 「問題意識を共有していると確信した」。馳浩文部科学相は6日、ボコバ氏と予定を超える約30分の会談後、手応えを強調した。

 「南京大虐殺文書」では歴史的事実の認識が日中で異なるにもかかわらず、登録が一方的に決まった。慰安婦関連資料で同じ轍を踏まないためには制度改善が急務だ。日本は申請資料の審査に他の関係国も関与できるような仕組みなどをユネスコ側に提案しているもようだ。

 関係者によると、制度改善は来春の執行委員会で議論される可能性がある。ただ、決定は「伝統的にコンセンサス」(日本代表部)が原則で、中国を含む58カ国の執行委員会で賛同を得ることが重要となる。馳氏が5日の総会演説で直接の中国批判を控えた背景には、そうした事情にも配慮した可能性もある。

 ボコバ氏は馳氏との会談で日本の貢献に謝意を述べたが、10月の執行委員会での演説では「中国」に複数回触れる一方、大抵は言及する「日本」に一度も触れず、関係者に驚きも広がった。拠出額に比べ、ユネスコでの日本の影響力の弱さを象徴しているともいえ、ボコバ氏に「強いリーダーシップ」を発揮するよう日本政府が粘り強く訴えかけていく必要もありそうだ。

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