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中国、露と原発連携誇示 建設に邁進、米との対立にらみ

 【北京=三塚聖平】原発の建設に邁進(まいしん)している中国が、米国との対立長期化をにらんでロシアとの技術協力を深める動きを誇示している。今月中旬には、中国国内でロシアが設計した原発計4基の建設に新たに着手した。米政権がハイテク分野で中国を切り離す「デカップリング」を呼びかけている中、中国の習近平指導部はロシアとの共闘カードをちらつかせて米国を牽制(けんせい)する狙いとみられる。

 習国家主席は19日、プーチン露大統領とオンライン形式で原発の着工式にそろって参加した。中国メディアによると、着工したのは遼寧省葫蘆島(ころとう)市と江蘇省連雲港(れんうんこう)市の原発で、ロシアが設計した加圧水型原子炉を2基ずつ建設する。習氏は式典で「中露は互いを固く支持し、密接に効果的な協力を行っている」と強調し、原子力分野での連携を深める方針を示した。

 中国は従来、米国やフランス、ロシアなどの技術も導入して原発開発を進めてきた。日本原子力産業協会の今年1月時点のまとめでは、中国で稼働中の原子炉は49基で、米国とフランスに次ぐ世界3位。建設中は16基、計画中は39基と世界最多だ。

 中国では今年1月、独自開発したと説明される新型原子炉「華竜1号」の商業運転も始まっており、原発技術の自前化は済んだと考えられている。その半面、安全性向上や小型化といった性能強化には米国の技術がなお必要だとの見方が根強く、ここ数年の米国が原子力関連でも対中輸出制限を強めていることへの警戒感が中国にはある。

 中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(英語版)はロシアとの原子力協力について、「米国の科学技術や貿易の制限に直面している中で、中国は米国の一部技術をロシアのものに置き換えられるだろう」との専門家の見方を紹介した。こうした「余裕」をあえて見せ、米国の規制緩和を引き出す思惑が垣間見える。

 他方で「ロシアとの協力には、中国が(ロシアの)原発技術を必要としているというよりも政治的な意味合いが強いのではないか」(北京の日系企業関係者)との観測もある。

 いずれにせよ、中露が対米を軸に結束する基調は変わらず、原発協力もその一環にほかならない。習氏とプーチン氏は19日、7月に締結20年を迎える中露善隣友好協力条約にも言及し、協力と友好関係をアピールする姿勢に終始した。

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