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権限強化の改革焦点 WHO年次総会 中国は警戒 

 【ロンドン=板東和正】24日開幕の世界保健機関(WHO)年次総会は、新たな感染症流行を防ぐためWHOの権限を強化する方向で、過半数の加盟国による合意が得られるかが焦点だ。WHOに調査の強い権限がないことが新型コロナウイルス流行につながったとの指摘があり、米国や欧州連合(EU)は改革に意欲を見せている。だが新型コロナの起源をめぐって、情報開示に消極的な中国はWHOの権限強化を警戒しており、予断を許さない状況となっている。

 総会では、WHOの新型コロナ対応を検証する独立委員会が、感染拡大を防げなかったのはWHOの対応の遅れが原因の一つとする最終報告書を提出する。

 独立委が対応の遅れと指摘するのが、WHOが昨年1月22日に医療機関の検査態勢整備などを促す「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送ったことだ。WHOはその8日後の30日に宣言を出したが、すでに世界累計の感染者数は、22日時点に比べ14倍以上になっていた。

 対応が遅れたのは「WHOが宣言の時期を判断するための情報を十分に得られていなかったため」(感染症問題の英専門家)だ。新型コロナが中国で確認された初期の昨年1月当時、WHOは中国の感染状況を把握しようとしたが、WHOの調査に強い権限がないことから、中国政府の協力に頼らざるを得なかった。

 このため独立委は今回の総会で、感染症が発生した場合、今後は加盟国の同意なしに現地調査を実施できるよう、WHOの権限を強化すべきだと訴え、加盟国に判断を求めていく。権限強化には、加盟国の過半数の賛成が必要となる。

 WHOの権限強化をめぐっては、バイデン米大統領の首席医療顧問を務めるファウチ国立アレルギー感染症研究所長が今年1月、「WHOの強化・改革に他国と協力し建設的に取り組む」と強調。EUやオーストラリアなどが賛同した。

 WHO国際調査団は1月中旬から2月上旬、中国湖北省武漢市でウイルス流出の疑惑が取り沙汰される研究所などを立ち入り調査したが、中国は初期の感染例について生データの提供を拒否している。調査団は中国の意向に従わざるをえなかったが、WHOのテドロス事務局長は、「広範囲にわたる分析が行われなかった」と不満も漏らした。

 中国がWHO改革に反対すれば、中国から資金を受けている途上国が相次ぎ支持にまわる懸念がある。

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