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バイデン政権、パレスチナ問題深入り避けた「ステルス外交」 中東の影響力減衰も背景

 【ワシントン=大内清】イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの衝突をめぐる停戦調停で、バイデン米政権は表立った圧力を避け、慎重な関与に徹した。“ステルス外交”の背景には、政権が目指すイラン核合意への復帰という外交目標と、パレスチナ問題への深入りを避ける思惑、そして中東での米国の影響力の減退という3つの事情が絡まり合っている。

 バイデン政権高官は、ガザ情勢をめぐる米国の動きを「静かで集中的な外交」と形容してきた。強い口調で停戦を求めたり、要人による「シャトル外交」を展開したりするのではなく、舞台裏での調停に徹している-という意味だ。

 ホワイトハウスの発表では、バイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相との17日の電話で、一般論として「停戦を支持」するにとどめた。19日の電話でも緊張緩和への「期待」を表明しただけだ。控えめともいえる態度の背景には、今後の中東外交をにらみ、ネタニヤフ氏との軋轢(あつれき)は避けたいとの判断がある。

 バイデン政権にとり当面の最優先課題は、トランプ前政権が一方的に離脱したイラン核合意への復帰だ。欧州や中露も参加する多国間の枠組みである核合意を修復することがイランの核開発抑止と中東安定化につながるとの認識がある。バイデン氏が掲げる「多国間外交」にも合致する。

 ガザでの戦闘の間、米・イランは核合意をめぐる間接協議を継続。仲介役である欧州連合(EU)欧州対外活動庁のモラ事務局次長は19日、「最終合意できると確信している」と、協議の前進を示唆している。

 その中で米国にとって重要なのは、核合意に反対し、時にはイラン攻撃も辞さない姿勢をみせてきたネタニヤフ政権の説得だ。

 ネタニヤフ政権にとってガザ攻撃は、イランの支援を受けるハマスへの正当な「自衛権の行使」だ。米国がイスラエルへの停戦圧力を強め、ネタニヤフ氏がバイデン氏への不信を強めれば、核合意をめぐる協議がこじれる可能性もある。

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