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ハマスが戦闘能力誇示 ちらつくイランの影

 イスラム原理主義組織ハマスは、実効支配するパレスチナ自治区ガザでロケット弾の製造拠点や地下トンネル網を建設し、イスラエルとの大規模交戦を準備してきたとみられている。同国との戦闘能力を誇示し、パレスチナ内部で求心力を高める狙いがうかがえ、ともにイスラエルと敵対するイスラム教シーア派大国、イランの影もちらつく。(カイロ 佐藤貴生)

トンネル再構築

 イスラエルはハマスがガザを実効支配した2007年以降、自国の安全への直接の脅威だとして頻繁に空爆し、09年や14年には地上部隊を侵攻させた。ハマスは14年の交戦で打撃を受けたトンネルをガザ北部を中心に再び構築。イスラエル軍は「戦闘員の移動や潜伏、物資の隠匿」に使っていると主張している。

 トンネルはかつて、ガザに隣接するイスラエルやエジプトとの間を結び、物資供給に使われた。米メディアによると、ハマスはイランの「ファジル」、シリアの「M302」などのロケット弾を入手してきた。

 しかし、イスラエルはガザに流入する物資を厳しくチェックし、自国に通じるトンネル建設にも目を光らせる。エジプト側では原理主義勢力を敵視するシーシー現大統領が実権を握った13年以降、検問所での監視を強めたといわれる。

 監視強化を受け、ハマスがガザにロケット弾の製造施設を設けたとの見方が有力だ。先週にはイスラエルのほぼ全土を射程に収めるロケット弾「アヤーシ」の写真を公開。イランがハマスを技術支援し、訓練も行ったとの見方もある。ただ、物資流入への監視が強まる中、ハマスがどのように大量のロケット弾の部品を入手したかは不明だ。

「内通者が攻撃目標の情報を提供」

 東京都区部の6割ほどの面積のガザには200万人が住む。ハマス幹部らは住宅密集地に居宅を構えて潜伏しているとされ、イスラエルは民間人の犠牲を省みずハマス幹部や戦闘員約160人を殺害。無人機による情勢把握に加え、地上のヒューミント(人的情報収集)の存在も指摘される。

 14年の戦闘をガザで取材した独立系通信社「ジャパンプレス」の藤原亮司氏(53)は電話取材に「ガザにはパレスチナ人の内通者が多数おり、イスラエル側にハマス幹部宅など攻撃目標の情報を提供し、空爆を誘導している」との見方を示す。また、「ガザの経済は破綻状態で、ハマスは住民への実績が残せていないから存在感を誇示する必要がある」と話した。

 戦闘開始以来、ヨルダン川西岸を統治するパレスチナ自治政府は停戦を呼び掛けているがハマスへの影響力は欠如。ハマスには、戦闘を通じて自治政府のアッバス議長の求心力をさらに低下させる狙いもある。

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