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バイデン米大統領、ネタニヤフ、アッバス両氏と電話会談

13日、米ワシントンのホワイトハウスで演説するバイデン大統領(AP)
13日、米ワシントンのホワイトハウスで演説するバイデン大統領(AP)

 【ワシントン=大内清】イスラエル軍とイスラム教原理主義組織ハマスの戦闘が激化するなど中東情勢が不安定さを増す中、バイデン米大統領は15日、イスラエルのネタニヤフ首相、パレスチナ自治政府トップのアッバス議長と相次いで電話会談し、沈静化に向けた働きかけを強める姿勢をみせた。これまでバイデン氏はこの問題での積極的な発言は控えていたが、事態の急速な悪化を受け、両者とのバランスをとりながら存在感を示そうとしている。

 ホワイトハウスによるとバイデン氏はネタニヤフ氏との電話で、ハマスのロケット弾攻撃に対するイスラエルの自衛権への「強い支持」を強調した。イスラエル国内でユダヤ人とアラブ系市民の暴力事件が相次いでいることには「深刻な懸念」を表明。パレスチナ自治区ガザでAP通信(米国)やアルジャジーラ(カタール)の取材拠点だったビルがイスラエルの空爆で倒壊したことを念頭に、ジャーナリストの安全確保の重要性を強調した。

 またバイデン氏は、アッバス氏との電話会談で、交渉を通じてパレスチナ国家の独立を達成するとした「2国家共存」案への「強力な関与」を改めて表明した。バイデン氏がアッバス氏と言葉を交わしたのは今年1月の就任後で初めて。

 バイデン政権は4月、トランプ前政権が停止していたパレスチナ支援の再開を発表するなど、前政権が進めたイスラエル偏重外交の修正を進めていた。今回、同じ日にネタニヤフ、アッバス両氏と電話会談を行ったのも、前政権より中立的な立場から調停を目指すとの考えの表れだといえる。

 バイデン政権にとって現時点の最優先課題は、前政権が離脱したイラン核合意に復帰することにある。同合意を修復し、イランを国際社会の責任あるプレーヤーとして遇することが、より安定的な中東秩序につながるとの認識からだ。バイデン政権は、イランとの協議を進めるため、前政権がイスラエルとともに構築した「イラン包囲網」も踏襲しない姿勢をみせてきた。

 一方、バイデン政権がパレスチナ側に同情的な姿勢をみせれば、重要同盟国で米議会にも多くのシンパを持つイスラエルとの関係冷却化を招くことは必至だ。

 バイデン氏が今回、首脳レベルでの電話外交に乗り出して存在感を示す半面、旗幟(きし)を鮮明にすることを避けているのは、イスラエルとパレスチナのどちらに肩入れしているとみなされた場合でも、核合意復帰に向けた協議などの足かせになるとの危惧があるためだとみられる。

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