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サウジ、イランと関係改善にかじ  イエメン泥沼、米方針にらみ

サウジアラビアのムハンマド皇太子=4月27日、首都リヤド(ロイター)
サウジアラビアのムハンマド皇太子=4月27日、首都リヤド(ロイター)

 【カイロ=佐藤貴生】サウジアラビアがイランとの関係改善に動いている。イランの核開発を警戒するサウジはイエメンの内戦に軍事介入して親イラン民兵組織と戦ってきたが、内戦の泥沼化で膨らむ戦費が経済を圧迫しているとされる。一方、バイデン米政権は4月上旬、イランの核開発や周辺国への影響力行使を制限するため同国との間接協議を開始しており、サウジは米イラン関係の変化を受けて歩み寄りにかじを切ったとみられる。

 イスラム教の聖地を抱えるスンニ派のサウジとシーア派のイランは、地下資源が豊富な地域の大国。2016年、サウジがシーア派指導者を処刑したことなどで断交したが、両国とも「地域の緊張を緩和するため」として10日までに接触の事実を認めた。英紙フィナンシャル・タイムズによると双方は4月9日、イラクの首都バグダッドで最初の協議を行った。

 次期サウジ国王候補のムハンマド・ビン・サルマン皇太子は4月下旬放映のインタビューでイランの「否定的な振る舞い」を批判しつつ、同国との「困難な事態」は望んでいないと発言。対イラン強硬派である皇太子の態度の変化を受け、イラン政府高官は「対話と協力の新たな段階に入れる」と歓迎していた。

 サウジの対応が変わったのは、軍事介入して7年目に入ったイエメン内戦に難渋しているからだとの見方が強い。数百億ドルともされる戦費を注ぎ込んでも、イランと連携するイスラム教シーア派系民兵組織フーシ派を制圧できずにいる。

 米国の政権交代もサウジの方針転換の背景にある。トランプ前政権はイエメン内戦でサウジを一貫して支援したが、内戦終結を目指すバイデン政権はサウジ軍事支援の停止を表明。4月下旬には停戦を促すため特使を中東に派遣した。

 サウジは米国に協力する姿勢を示しているが、フーシ派によるサウジ本土への越境攻撃が続いており、内戦が収束するかは不透明だ。米イラン協議が停滞したり破綻したりすれば、イランがフーシ派への影響力を行使して、サウジへの攻撃を強化する可能性もある。

 イランによる核開発とフーシ派支援を合わせて封じるのが米政権の狙いとみられるが、「イランはフーシ派をサウジと米国との交渉のカードとして使っている」(エジプトの評論家アレ・サイード氏)との見方があり、一筋縄ではない。

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