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中国の人口は14億1178万人 国勢調査は人口微増も高齢化で国力に影

 【北京=三塚聖平】中国国家統計局は11日、2020年に行った国勢調査の結果、中国の人口は14億1178万人だったと発表した。19年の14億5万人から1173万人増加したものの、前回調査の10年からの年平均増加率は0・53%で、2000年から10年までの0・57%と比べて鈍化した。

 中国は約5年前に「一人っ子政策」を廃止したが、出生数は伸びていない。少子高齢化の進行で国力低下に直結する人口減少が迫っていると国内メディアも指摘しており、習近平指導部は実効性のある人口対策を早期に打ち出すことを迫られている。

 中国は国勢調査を10年に1回実施しており、今回で7回目となる。

 目立つのは高齢者人口の増加と、働き手世代の減少だ。60歳以上は2億6402万人となり、総人口に占める割合は18・7%で、10年の前回調査と比べて5・44ポイント上昇した。それに対し、15~59歳は8億9438万人となり、前回調査から6・79ポイント低下し63・35%だった。

 中国では、人口増加を抑制するために一人っ子政策を30年余り続けたが、少子高齢化の深刻化を受けて16年にすべての夫婦に第2子の出産を認めた。ただ、都市部を中心とした生活費や教育費の高騰といった経済的な理由などから、習指導部の思惑通りに出生数は増えていない。

 今回の調査では14歳以下の人口は同1・35ポイント増の17・95%となったものの、中国公安省の発表によると20年の新生児数は前年比約15%減っている。新型コロナウイルスの流行という特殊要因もあったもようだが、少子化の傾向は変わっていないとみられる。

 中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(英語版)は4月下旬、中国の人口が22年にもピークに達し、減少に転じるという専門家の分析を報じた。中国政府は国勢調査の結果を4月上旬に発表予定だったが、それが延期されていたため、今回の調査で既に減少に転じているという観測も強まっていた。

 人口減少が中国経済の足かせとなることへの危機感を習指導部も強めているとみられる。中国の経済規模が28年にも米国を抜くとの予測もあるが、人口減少と高齢化が進めば長期的に米国が再逆転することもあるとの見方もある。また、インドの人口が中国を追い抜き世界首位になるとの見通しもあり、経済面でも中国に迫る可能性がある。

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