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米朝交渉の進展は望み薄 バイデン政権が北朝鮮政策の見直し完了

朝鮮労働党の末端幹部を集めた大会で演説する北朝鮮の金正恩総書記=4月8日、平壌(朝鮮中央通信=共同)
朝鮮労働党の末端幹部を集めた大会で演説する北朝鮮の金正恩総書記=4月8日、平壌(朝鮮中央通信=共同)

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は、バイデン米政権が北朝鮮政策の見直し作業を終えたことで、外交政策の軌道修正を迫られることになる。ただ、北朝鮮は米側との接触自体を拒んでいる上、逼迫(ひっぱく)した経済問題に優先的に取り組まざるを得ず、米朝交渉の進展を期待できる状況にはない。

 サキ米大統領報道官は4月30日、トランプ前大統領が金氏との会談で実現しようとした「一括取引」は行わないと強調した。

 金氏は2019年の米朝首脳再会談が物別れに終わった後もトランプ氏との親交ぶりを誇示してきた。トランプ氏との一括取引で体制保証を引き出すことにそれほど賭けてきた証左だ。

 金氏はバイデン政権に対し、まずは敵視政策を撤回するよう要求している。米韓合同軍事演習の中止を意味し、18年の初の米朝首脳会談でトランプ氏から演習中止の言質を取った“成功体験”が背景にあるようだ。だが、トランプ流の即決交渉を否定的に見るバイデン政権に対しては、現実的要求とは言い難い。

 一方、サキ氏が北朝鮮問題を事実上放置したオバマ元政権の「戦略的忍耐」に依存しないと明言したことは金氏にとって好材料だ。北朝鮮は戦略的忍耐への回帰を警戒してきたとされ、バイデン政権が模索する合意の段階的積み上げは、金氏が米側に求める行動対行動の原則にも合致する。

 ただ、北朝鮮は敵視政策を撤回しない限り、米側からの接触を無視すると表明、交渉のハードルを高めており、米朝外交の当面の膠着(こうちゃく)化は避けられない。

 新たな緊張をつくり出し、その後の交渉を優位にするため、北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試射など、新たな軍事的挑発に踏み出す可能性も否定できない。

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