PR

ニュース 国際

アフガン、米軍撤収開始で混乱拍車に懸念 影響力狙う中露

アフガニスタン中部ロガール州でパトロールする米軍の部隊=2018年8月(ロイター=共同)
アフガニスタン中部ロガール州でパトロールする米軍の部隊=2018年8月(ロイター=共同)
その他の写真を見る(1/2枚)

 【シンガポール=森浩】アフガニスタン駐留米軍が撤収を開始した。これはアフガン政府にとって後ろ盾を失うことを意味し、イスラム原理主義勢力タリバンの攻勢強化につながる恐れがある。米軍撤収で生まれる空白を狙って、ロシアや中国は勢力拡大を図るとみられる。アジアと中東をつなぐ戦略的要衝でもあるアフガンだが、“米軍後”の情勢は見通せず、混乱に拍車が掛かることが懸念されている。

 タリバン幹部は30日、米軍撤収開始について、「5月1日までの完全撤収」で一致した米国との和平合意に違反するとしつつ、「前向きな一歩」とも評価した。地元メディア調査(2月発表)によると、タリバンは政府への攻撃を続け、既に国土の52%を支配下に置く。政府軍を支えた米軍撤収はタリバンにとって勢力拡大の好機となることは間違いない。

 劣勢の政府軍は士気低下や腐敗が深刻で、米軍撤収が完了すれば防戦一方になる恐れもある。米国はガニ政権とタリバンが合流した暫定政府設立によって国内の安定を実現したい考えだが、自らの権力を失うことにもなるガニ大統領が消極的とされる。

 混乱収束を名目にアフガンでの影響力拡大を狙うのがロシアだ。アフガンに埋蔵される天然資源を狙う思惑や、自国内へのイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の伸長を防ぐ考えから、アフガンの安定を志向する。既に複数回、アフガン和平に関する会議を主催し、アフガン政府とタリバンの代表がそれぞれ出席している。

その他の写真を見る(2/2枚)

 中国は新疆(しんきょう)ウイグル自治区へのイスラム過激派流入や、国内の弾圧を避けたウイグル人がアフガンで拠点を作る事態を警戒し、こちらもアフガンの安定を主導したい考えだ。西へ延びる巨大経済圏構想「一帯一路」の中継地点としてもアフガンは重要だ。アフガン政府側とも関係を深め、タリバン代表団を複数回北京に招いてもいる。

 インドも、宿敵パキスタンを背後から牽制(けんせい)する狙いでアフガンへの浸透を図っている。米軍撤収後のアフガンには、19世紀に大国が覇権を争った「グレート・ゲーム」が再来する懸念が高まっている。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ