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露、バイデン米大統領の「対立望まぬ」に懐疑 譲歩せず国益追求

年次報告演説を行うロシアのプーチン大統領=21日、モスクワ(タス=共同)
年次報告演説を行うロシアのプーチン大統領=21日、モスクワ(タス=共同)

 【モスクワ=小野田雄一】バイデン米大統領が4月28日の施政方針演説で、ロシアの容認できない行動に責任を取らせるとする一方で、対立の激化は望まないとの意向を示したことを、ロシアは懐疑的に受け止めている。ロシアは米国との根本的な関係修復は不可能だとみており、欧米とのさらなる関係悪化も省みずに国益を追求していく姿勢を強めている。

 バイデン氏は演説で、ロシアによる米国へのサイバー攻撃や選挙干渉には敢然と対応するとした一方、対立の激化は望まないと指摘。気候変動問題や軍備管理問題など一部の分野では協力も可能だとした。

 これに対し、コサチョフ露上院副議長は29日、自身のフェイスブック上で「全体的には期待が持てる演説だ」と述べた後で、「ただしそれは、これまで米国が一度も力の行使という脅しをしていなかった場合の話だ」と皮肉った。バイデン政権がロシアに制裁などで圧力をかけている以上、演説の内容に大した意味はないとの考えを示したものだ。

 ペスコフ露大統領報道官も同日、露国営テレビの番組で、バイデン氏は米国が民主主義陣営のリーダーを担う意思を示したとし、「(米国中心の)一極化世界を目指そうとしている」と指摘。「ロシアは米国と異なり、他国との敵対ではなく融和を目指している」などとも主張した。

 ロシアは、米国が価値観を共有する欧州と日本や、ロシアと敵対するウクライナなどと協調し、ロシアや中国の封じ込めを加速させることを警戒している。そのため、自国にも利益となる核軍備管理などの分野では協力する意思を示しているものの、国益を損ないうる分野では一歩も譲歩しない構えだ。

 実際、プーチン大統領は23日、欧米諸国を念頭に、各国の在ロシア大使館で勤務できる職員数などを制限する「非友好国リスト」の作成を政府に指示。21日の年次教書演説でも、ロシアの利益を侵害しようとする国は「非対称かつ苛烈な対抗措置に後悔するだろう。誰もが一線を越えないことを望む」と警告した。

 さらにロシアは最近、制裁の一環として露外交官を追放した米国や、露外交官による非合法活動を理由に同様の措置を取ったチェコなど複数の欧州諸国に対し、報復として各国外交官を追放する措置を取り、欧米側への対抗姿勢をいっそう強めている。

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