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中国への人材流出阻止に本腰 台湾立法院で法案審議

 【台北=矢板明夫】台湾の人材と技術の「中国流出」を阻止するための法律改正案が28日、台湾の立法院(国会に相当)で審議入りした。与党、民主進歩党の議員グループが提出したもので、中国企業が台湾で人材を募集する際の規制と監視を強化、台湾企業の技術を窃取した個人への罰則を「10年以下の懲役」から「無期懲役」に引き上げるなどの内容が盛り込まれている。中台対立が深まる中、蔡英文政権は経済面における中国との“切り離し”を一層本格化させた形だ。

 今回の法改正は、人材流出を通じた技術移転の阻止などに重点が置かれている。近年の米中対立に伴い、米国の主導で中国のハイテク産業を国際市場から締め出す動きが加速し、中国企業と技術提携する欧米企業も減少している。こうした動きに対抗するため、中国側は、台湾の半導体メーカーなどから技術者をひそかにヘッドハンティングし、最先端の技術を手に入れようと画策している。

 米主導の対中包囲網が構築される中、台湾がその“抜け穴”になりかねないと、台湾の関係者が懸念を強めたことが、今回の法改正の背景にあるようだ。

 中国企業が台湾で支社などを設置し、または人材募集の広告を出すことは、既存の「両岸人民関係条例」などによってすでに規制されている。しかし、中国企業は法の網をかいくぐって、台湾の人材派遣会社や台湾人の名前を借りて違法に設置した子会社、外国人名義で買収した台湾企業などを通じて台湾の人材を雇用しているという。

 中国企業の強みは高報酬だ。関係者によれば、台湾のシリコンバレーといわれる北西部・新竹市の科学工業園区で働く40代の中堅エンジニアの年収は約150万台湾元(約585万円)だが、中国の広東省などに行けば、その2・5倍から4倍がもらえるという。家具付き住宅も用意されるなど、福利厚生面も充実しており、家族と一緒に中国に渡る人は後を絶たないという。

 台湾の司法当局は3月、新北市の2つの半導体関係会社を強制捜査した。台湾誌「商業週刊」などによると、台湾企業として登録されているこの2社は、人材獲得を目的にした中国企業の子会社が実態のようで、これまでに約3年間、数百人の半導体エンジニアを台湾から中国企業にヘッドハンティングした疑いが持たれている。

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