PR

ニュース 国際

<独自>北朝鮮が海上交易を再開 経済逼迫、制裁破りの鉄鉱石も

 中国・丹東と北朝鮮新義州(奥)を結ぶ中朝友誼橋。たもとでは市民が行き交う=27日(共同)
 中国・丹東と北朝鮮新義州(奥)を結ぶ中朝友誼橋。たもとでは市民が行き交う=27日(共同)

 【ソウル=桜井紀雄】新型コロナウイルスの防疫措置と称して昨年1月から国境や港を封鎖してきた北朝鮮で今年3月以降、貨物船の中国との往来が活発化していることが北朝鮮情報筋などへの取材で28日、分かった。経済の逼迫(ひっぱく)に耐え切れず、陸路に先だって海上の交易から再開に踏み切ったもようだ。国際社会の制裁で禁輸対象となっている鉄鉱石を積んだ北朝鮮船舶の航行も確認された。

 情報筋やネット上で公開された船舶の位置情報によると、4月下旬現在、北朝鮮の複数の貨物船が中国・大連や煙台付近などの港に停泊したり、北朝鮮との間を航行したりしている。

 中国での感染拡大を受け、北朝鮮は昨年1月から国境を封鎖。海上では北朝鮮船舶がしばらく見られたが、7月以降はぴたりと確認されなくなった。海路の封鎖にまで防疫措置を強化したためとみられている。

 韓国情報機関は11月、北朝鮮が「コロナ汚染」を恐れて南浦(ナムポ)などの港を封鎖し、漁業も禁じたと報告。中国が北朝鮮支援用に用意したコメ11万トンも大連に留め置かれたという。情報筋によれば、中朝国境の河口付近では小舟による夜陰に紛れての物資密輸が横行した。

 だが、今年に入ると中朝間の海域に北朝鮮船が現れ始め、3月以降、目に見えて増加。国連安全保障理事会決議で輸出が禁じられた鉄鉱石を積んだ船も確認され、中国などへの密輸も再開させた可能性がある。

 交易再開は中国当局の統計でも裏付けられる。1、2月はほぼゼロだった中朝の貿易額が3月は約1430万ドル(約15億5千万円)に急増。北朝鮮への輸出品は主に化学肥料や農薬だ。肥料が不足したままでは今年の収穫まで打撃を受けるため、北朝鮮が陸路に比べて多く運べ、人の往来を制御しやすい海路から封鎖解除に踏み切ったとみられる。ただ、貿易額は国境封鎖前の7%にも満たない。

 中朝国境の都市、北朝鮮・新義州(シニジュ)の駅で最近、列車にかけられていた幕が除かれるなど、国境封鎖解除に備えるような動きも伝えられており、陸上交易も近く再開される可能性がある。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ