PR

ニュース 国際

トルコ大統領「事実に反する」 ジェノサイド認定の米を非難

26日、トルコ首都アンカラで記者会見するエルドアン大統領(トルコ大統領府提供、ロイター=共同)
26日、トルコ首都アンカラで記者会見するエルドアン大統領(トルコ大統領府提供、ロイター=共同)

 【カイロ=佐藤貴生】トルコのエルドアン大統領は26日に演説し、バイデン米大統領がオスマン帝国末期の第一次大戦時に起きたアルメニア人迫害を「ジェノサイド」(民族大量虐殺)と認定したことについて、「根拠がなく不公平で、事実に反する」と強く非難した。米政権が24日にジェノサイドと認定して以来、エルドアン氏が公式の場で反応したのは初めて。

 色濃い対外膨張色から「親オスマン主義」とも称される同氏の対米批判で、冷え込んでいた両国関係のさらなる悪化は必至。与党勢力が過半数のトルコ国会では、米国への対抗措置を求める動きも出ている。

 ロイター通信によると、エルドアン氏は17世紀以降、西欧から北米への移住者らが先住民と対立を繰り広げた歴史を持ち出し、「(ジェノサイド認定の前に)自らの姿を鏡で見るべきだ」と非難した。

 また、オスマン帝国末期の1915年以降、150万人が犠牲になったとするアルメニアの主張は「誇張だ」として、米政権に認定の撤回を要求。トルコ、アルメニア双方の歴史家による事実解明の合同委員会の設置も提案した。

 トルコは第一次大戦中、少数派キリスト教徒のアルメニア人に強制移住を命じ、その過程で多数が犠牲になったことは認めているが、多くは飢餓などによるもので組織的な虐殺はなかったと主張している。

 エルドアン政権は2019年、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国でありながらロシアから防空システムを購入。「露に軍事機密が漏れる」と欧州も懸念するなかで昨秋には試射も行い、バイデン政権は厳しい姿勢で対応する方針を示している。

 エルドアン氏は26日の演説で、今年6月に開催予定の北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議で「(両国関係の)新たな扉を開く」と述べ、米国との関係改善に期待も示した。

 ただ、アルメニア人迫害はエルドアン氏の支持基盤のイスラム保守層だけでなく、多くのトルコ人の機微に触れる問題で、同国内の野党も米政権の判断に反発しているもよう。

 同氏の激しい対米批判には、新型コロナウイルス感染拡大や経済悪化で低下する支持を取り戻す狙いもありそうだ。

 トルコは昨年、旧ソ連構成国だったアルメニアとアゼルバイジャンの間で起きた軍事衝突で、民族的に近いアゼルバイジャンを支援した。同国はバイデン氏の認定を批判する一方、アルメニアは歓迎しており、トルコ周辺の地域情勢にも波紋を広げている。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ