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【台湾有情】「処理水」めぐる攻防

東電福島第1原発の敷地に並ぶ処理水などを保管するタンク=福島県(芹沢伸生撮影)
東電福島第1原発の敷地に並ぶ処理水などを保管するタンク=福島県(芹沢伸生撮影)

 東京電力福島第1原発の処理水を日本政府が海洋放出する方針を決定したことは、台湾にも大きな波紋を広げている。

 野党、中国国民党と一部の環境保護団体が猛反発する中、台湾の駐日大使に当たる台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表が、自らのフェイスブックで「台湾の原発も放射性廃水を排出している」などと書き込んだことが国民党関係者の逆鱗(げきりん)に触れたようだ。立法院(国会に相当)での謝氏の証人喚問を求めるとともに「偽情報」を流したとして謝氏を刑事告発した。

 台湾の原発を管理する台湾電力は3カ月ごとに「放射性物質排出報告書」を発表しており、その中に「放射性廃水の排出」についての詳細記録がある。それを読むと、謝氏が言っていたことは事実そのものだが、国民党関係者は「台湾が排出しているのは正常の廃水で、事故による汚染水を処理した水とは性質が違う」などと主張し、謝氏を「媚日派」と批判している。中国に近いとされる国民党は、日本の問題になると、中国と同様、すぐ感情的になってしまう傾向がある。

 一方で、地理的に日本に近い台湾では、処理水の海洋放出に関し、大きな不安を覚える人が多くいることも事実だ。謝氏のような知日派を困らせないためにも、日本政府は台湾に対して、処理水の安全性をもっと丁寧に説明すべきだ。(矢板明夫)

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