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米、アルメニア人迫害を「ジェノサイド」認定 トルコ猛反発、さらなる関係悪化必至

バイデン大統領(AP)
バイデン大統領(AP)

 【ワシントン=大内清】バイデン米大統領は24日、声明を出し、第一次大戦中の1915年から17年にかけて多数のアルメニア人が死亡したオスマン帝国による迫害について、「ジェノサイド(民族大虐殺)」にあたるとの認識を示した。米政権がこれをジェノサイドと認定したのは初めて。トルコは強く反発しており、近年険悪化している米・トルコ関係がさらに悪化するのは必至だ。

 バイデン氏は声明で、「アルメニア人へのジェノサイドを記憶にとどめ、金輪際このような悲劇が起きないよう決意を新たにする」と述べた。この日は、106年前に迫害が始まったとされるアルメニア人への追悼記念日。

 オスマン帝国は第一次大戦中、少数派キリスト教徒のアルメニア人に強制移住を命じ、その過程で最大150万人が命を落としたといわれる。同大戦後に解体されたオスマン帝国の後身であるトルコは、約30万人のアルメニア人が死亡したとは認めているが、多くは飢餓などによるもので、組織的な虐殺ではないと主張。トルコのチャブシオール外相は24日、ツイッターで、「言葉によって歴史を変えたり、書き換えたりすることはできない」と反論した。

 バイデン政権は「人権外交」を標榜(ひょうぼう)しており、今回はその一環として、歴代政権が避けていたジェノサイド認定に踏み込んだ形だ。

 米国とトルコは、ともに北大西洋条約機構(NATO)の加盟国ながら、近年は関係が悪化。トルコは米国の反対を無視してロシア製地対空ミサイルS400を導入しており、ブリンケン米国務長官は今年3月のNATO外相会合で放棄するよう求めていた。

 一方で米国は、イラン問題やシリア内戦といった中東での外交課題では、域内での影響力を強めるトルコに協力を求めざるを得ない立場にある。

 バイデン氏は声明に先立つ23日、トルコのエルドアン大統領と電話会談した。米メディアによるとその際にジェノサイド認定をする考えを伝達したという。両者は6月のNATO首脳会議に合わせて首脳会談を行うことで合意しているが、歴史認識の問題でいっそうこじれた関係の修復につなげられるかは不透明だ。

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