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【千夜一夜】ウイグルの「声」を聞くために

トルコ・イスタンブール中心部で行われた亡命ウイグル族の抗議デモ=3月25日(共同)
トルコ・イスタンブール中心部で行われた亡命ウイグル族の抗議デモ=3月25日(共同)

 「もう自分の体ではなくなったと思った」。トルコ・イスタンブールでの取材中、亡命ウイグル人女性のカルビヌル・カマルさん(50)が大粒の涙を流した。中国・新疆ウイグル自治区で不妊手術を強制されたと証言したときだった。

 イスタンブールには中国当局の弾圧を逃れてきた多数の亡命ウイグル人がいる。「当局の指示で不妊手術を行った」と証言した元婦人科医のギュルギネさん(47)は、自治区の病院で女性たちに装着したという子宮内避妊具(IUD)の大きさや女性の体内の構造を筆者のノートに記し、なぜ妊娠できなくなるかを説明した。

 現地で会ったギュルギネさんを除く亡命ウイグル人はみな、フルネームの公表を拒まなかった。実名での告発で自治区に暮らす親類や知人への当局の圧力は強まる公算が大きい。しかし、「中国で何が起きているかを伝えてほしい」という思いに満ちていた。

 新型コロナウイルス感染拡大で、駐在するエジプト・カイロからの海外出張のハードルが上がった。周辺国の大半が入国後の自己隔離を義務付け、対面取材にも気を使う。それでも、事実に少しでも近づくためには直接会って「声」を聞くしかない。中国のウイグル族弾圧はコロナ禍の下でも出張に値する取材テーマだと思う。(佐藤貴生)

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