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露、宇宙開発凋落に焦り 米中と大差 初有人飛行から60年

ロシアのプーチン大統領(AP)
ロシアのプーチン大統領(AP)

 【モスクワ=小野田雄一】ロシアは旧ソ連時代の宇宙飛行士、ガガーリンによる人類初の有人宇宙飛行から60年の節目を迎えた12日、各地で祝賀行事を行った。ロシアにとって宇宙開発は第二次世界大戦の戦勝と並ぶ国威発揚の象徴だ。ただ、近年は米国や中国に差を付けられ、ロシアは焦りを深めている。

 プーチン露大統領は12日、宇宙開発関連の会議にビデオ形式で出席し、「ロシアは核と宇宙の列強国の地位を保たなければならない。宇宙分野は国防に直接的に関わるためだ」と指摘。宇宙分野でロシアの地位を高めるために何をすべきか検討するよう指示した。宇宙開発分野でロシアの存在感が低下していることに危機感を示した形だ。

 2011年の米スペースシャトルの退役以降、地球と国際宇宙ステーション(ISS)を往復する手段は露宇宙船「ソユーズ」だけとなり、ロシアは米国などから多額の利用料を得てきた。しかし昨年、米スペースX社の有人宇宙船「クルードラゴン」が実用化され、ソユーズの価値の低下は避けられない。

 米科学者団体によると、昨年12月末時点での軌道上の人工衛星の数は米国1897基、中国412基に対し、ロシアは176基。国営ロシア通信によると、昨年1年間のロケット打ち上げ回数でもロシアは1991年以降で最少となる17回にとどまり、44回の米国、39回の中国に水をあけられた。経済低迷による予算減少が主な理由とされる。

 旧ソ連はいずれも世界初となる有人宇宙飛行や人工衛星「スプートニク」の打ち上げ、宇宙ステーション「サリュート1」の打ち上げなどに成功し、世界の宇宙開発をリードしてきた。しかし、ソ連崩壊後は予算の削減や技術者の流出が続き、技術力が低下した。

 ロシアは現在、純国産の新型ロケットやソユーズに変わる新型宇宙船の開発、新たな打ち上げ基地の建設などを進めている。ただ、技術不足や予算不足などからこれらの計画は当初の予定より大幅に遅れており、いつ実用段階に達するかさえ予測がつかない状態だ。

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