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日米会談 米、台湾の現状変更許さず 中国に警告 日米の試金石にも

15日、米ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着した菅首相(共同)
15日、米ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着した菅首相(共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】米ホワイトハウスで16日に行われるバイデン大統領と菅義偉(すが・よしひで)首相による初の首脳会談では、台湾情勢が主な議題の一つとなる。バイデン氏は、中国が台湾の防空識別圏に爆撃機を進入させるなどの挑発行動を展開している問題で、台湾海峡の平和と安定を揺るがす行為を容認しないとの「明確なメッセージ」(バイデン政権高官)を菅首相と一緒に発信したい考えだ。

 バイデン政権は、中国が台湾に対して軍事的圧力を強めているのを受け、中国が近い将来、台湾の軍事侵攻に踏み切る現実的な可能性が高まっているとみて、危機感を募らせている。

 歴代米政権は1979年に米台が国交を断絶して以降、「一つの中国」政策を継続しつつ、台湾関係法に基づいて台湾の安全を保障し、中台関係の「現状維持」を図ってきた。

 しかし、中国の習近平体制が台湾への圧力を強化して台湾情勢の現状変更を図る姿勢を明確化したのを受け、トランプ前政権とバイデン政権は民主的価値観を共有する台湾を、西太平洋への覇権的拡大を企図する中国を抑止するための枢要なパートナーと位置付け、テコ入れする姿勢を鮮明にするようになった。

 バイデン政権は、中国が「第1列島線」と称する沖縄列島から台湾を経て南シナ海に至る地域で、中国による軍事行動の抑止を狙った日米の共同防衛態勢を構築したい考えだ。

 日米は同時に、半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)を擁し、ハイテク分野のサプライチェーン(供給網)の世界的要衝となっている台湾との連携を緊密化させ、中国によるハイテク分野での覇権獲得の阻止を図る構えだ。

 米高官は一方で、「日本が中国と経済・商業分野で密接な関係にあることは認識している」とし、日本の立場に配慮を示す。

 バイデン氏の特別補佐を務める国家安全保障会議(NSC)のケーガン上級部長(東アジア・オセアニア担当)も14日、産経新聞の単独取材に「日米は対等な同盟で、真の協調関係にある」とし、日本に対して特定の分野で取り組みを強化するよう圧力をかける気はないと言明した。

 一連の発言には、菅首相が台湾情勢など日米共通の懸案に関し、「真のパートナー」として米国とともにどこまで自発的役割を果たす意思があるのかを米政権として見定める狙いが込められているとみられる。

 それだけに、共同声明での台湾をめぐる文言は、今後の日米関係の行方を占う試金石にもなりそうだ。

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