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急回復も零細企業は苦しく 米中対立や不動産バブルなど懸念多い中国経済

中国のGDP速報値を発表する国家統計局の劉愛華報道官=16日、北京(共同)
中国のGDP速報値を発表する国家統計局の劉愛華報道官=16日、北京(共同)

 【北京=三塚聖平】過去最高の伸びとなった中国の2021年1~3月期の実質国内総生産(GDP)は、新型コロナウイルスの流行を強権的な手法で押え込んだことが奏功した。ただ、急激な景気回復を実感できない零細企業が多いほか、企業債務の膨張や不動産バブル懸念、米中対立など不安材料が山積しており、中国経済の先行き不透明感は払拭できていない。

 国家統計局の劉(りゅう)愛華(あいか)報道官は16日の記者会見で「経済は安定した回復状態が持続している」と強調した。

 習近平指導部は昨年初め、コロナの流行を受けて移動制限など経済活動を停止させる感染対策を行った。急激な景気悪化に陥る一方で、昨春には国内流行に歯止めをかけて政府主導で経済活動を再開させた。20年4~6月期からプラス成長に戻り、20年通年の実質GDPは主要国で唯一のプラス成長を達成した。

 今月上旬の清明節の3連休には、国内観光収入が前年同期の3・3倍に回復。北京市内の繁華街でも買い物客や観光客の姿が目に見えて増えている。

 一方で、零細企業は景気回復の恩恵を十分に受けていないと指摘される。

 「この1年で付近の店は4割くらいが潰れた」

 北京市北東部の望京地区で、海鮮料理店の男性経営者がため息をついた。昨年、北京では感染防止のための制限措置が何度も取られ、そのたびに飲食店は休業や来店客減に苦しんだ。男性経営者は「1年の半分は営業できなかった」と話すが、当局による補償はなかったという。

 中国政府による景気対策の恩恵を主に受けているのは国有の大企業だ。統計局の劉氏は「国内経済回復の基礎はまだ堅固ではなく、一部のサービス業や零細企業はまだ多くの困難に直面している」と認める。

 多くの企業がコロナ禍で苦境にあり、中国銀行保険監督管理委員会の郭(かく)樹清(じゅせい)主席によると20年の不良債権処理額は約3兆元(約50兆円)規模だった。景気対策の副作用で不動産市場の一部にはバブル懸念もある。

 バイデン米政権との対立の深刻化も影を落とす。米政府は中国企業への制限措置を打ち出しており、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は半導体調達に支障が生じている。新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権問題に懸念を示したスウェーデン衣料品大手H&Mなどが不買運動の対象となるなど、外資系企業の間でも警戒が強まっている。

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