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米民主党左派、最高裁判事増員で勢力逆転狙い 法案提出、「司法の政治化」に警戒強まる

 【ワシントン=大内清】米民主党の一部議員は15日、連邦最高裁判事の定数を現行の9人から13人に拡大する司法制度改革法案を上下両院に提出した。最高裁判事は現在、保守派6人に対してリベラル派3人の構成。法案は民主党内で勢いを増す急進左派が主唱しているもので、増員分の判事にリベラル派を任命して最高裁での勢力を逆転させる思惑がある。

 司法の政治化を助長しかねない動きに、共和党だけでなく民主党内でも異論が出ており、法案可決の実現性は低い。民主党のペロシ下院議長は15日、法案に反対の考えを示した。

 ただ、最高裁改革を求める声は急進左派を中心に根強く、もともとは改革に消極的なバイデン大統領も9日、判事の増員や現在の終身制を任期制とする案などを調査する超党派の委員会を設置する大統領令に署名。ペロシ氏も同委員会については「論外ではない」と含みを持たせており、党内の分断を深めかねないこの問題の取り扱いに神経をとがらせている。

 最高裁改革への圧力が高まった背景には、トランプ前大統領が昨年11月の大統領選を前に死去したリベラル派判事の後任として保守派の女性判事を指名し、当時の上院多数派だった共和党がそれをスピード承認した経緯がある。

 最高裁での保守派優位がいっそう固まったことで、民主党側では人種差別や人工妊娠中絶など国論を二分する問題で保守派寄りの判決が下されるとの危機感が強まった。

 また民主党側には、オバマ政権末期の大統領選期間中に空席となった判事の後任人事を、共和党側に長期にわたって妨害されたとの遺恨もある。

 一方で、共和党支持層や民主党穏健派には、急進左派が影響力を強めることや司法の左傾化への警戒感が強い。仮に法案可決が現実味を帯びても、国内の分断がさらに進むのは必至だ。

 連邦最高裁の定数は、数度の法改正を経て1869年から9人で固定されている。

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