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タリバン、米軍撤収延期に反発必至 和平交渉にも暗雲

米国やロシアなどの代表団とともに、和平協議に参加したタリバンの代表ら=3月19日、モスクワ(ゲッティ=共同)
米国やロシアなどの代表団とともに、和平協議に参加したタリバンの代表ら=3月19日、モスクワ(ゲッティ=共同)

 【シンガポール=森浩】米国がアフガニスタン駐留軍の撤収期限を5月1日から9月11日に延期したことで、イスラム原理主義勢力タリバンが反発を高める公算は大きい。和平合意に基づき5月1日までの米軍撤収を強く要求してきたためだ。国内で攻勢を強め、アフガン政府との恒久停戦に向けた協議が暗礁に乗り上げる可能性が高い。

 タリバンはこれまで繰り返し米軍の撤収延期を牽制(けんせい)しており、3月下旬の声明では、米軍が撤収期限を順守しなければ「合意違反」だとして戦闘を続けると警告していた。タリバン報道担当者はツイッターで「全ての外国部隊が完全撤収するまでアフガンに関する決定を下す全ての会議に出席しない」とも主張した。

 タリバンとしては政府の後ろ盾の駐留米軍が完全に撤収すれば、野望である全土支配が現実味を帯びることから、早期の撤収を進めさせたい考えがあった。アフガン地元メディアが2月に発表した調査結果によると、既にアフガン全土の52%を支配下に置いている。攻勢に押されて、政府軍が軍事拠点を放棄した地域もあるほどだ。

 バイデン米政権は政府とタリバンが参加する暫定政権を構築し、国内の安定につなげたい考えだが、態度を硬化させたタリバンは交渉よりも戦闘継続を選ぶとみられる。暫定政権には権力を手放したくないアフガンのガニ大統領も消極的とされ、実現のハードルは高い。

 ガニ政権は幹部間の対立もあり、国内の主導権を握ろうとするタリバンに対し、一枚岩になり切れていない。政府軍の士気の低さも深刻だ。米軍が完全に撤収すれば政権の求心力低下は避けられそうになく、国内の混乱は深まりそうだ。

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