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米軍アフガン撤収 「性急な撤収」に超党派の批判

オンライン会議で発言するバイデン米大統領=12日、ワシントン(ロイター=共同)
オンライン会議で発言するバイデン米大統領=12日、ワシントン(ロイター=共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米政権が13日、アフガニスタン駐留米軍を9月11日までに完全撤収させると発表したことに対し、米議会からは「現地の治安情勢を考慮しない性急な撤収だ」などとする超党派の批判が相次いだ。米情報機関もアフガン和平の実現に悲観的な見方を示しており、「終わりなき戦争」に終止符を打つことを目指した米政権の決断が奏功するかは定かでない。

 米政権高官は13日、バイデン大統領がアフガン駐留米軍の撤収を決めた理由について「米国攻撃を企図するテロリストにアフガンを隠れ家として使わせないという目標は達成された」と説明し、「今後は(イスラム原理主義勢力)タリバンとアフガン政府が和平合意に達するよう米政府として外交努力に全力を挙げる」と強調した。

 しかし、米情報機関を統括する国家情報長官室(ODNI)が13日発表した年次報告書はアフガン情勢に関し、タリバンとアフガン政府が和平で合意する見通しは低いと指摘する。

 また、米軍を含む国際部隊が撤収してアフガン政府への支援を打ち切った場合、同国政府がタリバンの武力攻勢を食い止めるのは難しくなり、タリバンの支配地域拡大につながっていく可能性が高いとの見通しを明らかにした。

 報告書によると、アフガン政府軍は戦場で敗走を続けており、タリバンは「軍事的勝利」への確信を深めているという。

 一方、上院共和党トップのマコネル院内総務は13日、撤収発表を受け「軽率な撤収は誤りだ。なお屈服していない敵を前に撤収するのは、米国のリーダーシップを放棄するに等しい」と痛烈に批判した。

 上院軍事委員会のインホフ筆頭委員(共和党)も、バイデン政権が9月11日の撤収期限は動かさないと言明したことに関し「撤収の是非は現地情勢に基づいて判断すべきだ。政治的な決断であり正当化できない」と切り捨てた。

 昨年2月にトランプ前政権とタリバンが結んだ和平合意では、米軍撤収の前提条件としてタリバンが「暴力行為の低減」と「国際テロ組織アルカーイダとの絶縁」を果たすことが明記されていたが、米軍によるとタリバンはこれらの約束を全く履行していない。

 上院外交委員会のシャヒーン委員(民主党)は、「米国はアフガンを安定化させるのに多大な犠牲を払ったのに、安全な将来に向けた明確な保証もないまま撤収した」と指摘し、政権の決断に「非常に失望している」と語った。

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