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女王を支えてきたフィリップ殿下 亀裂修復は女王の肩に

10日、ロンドンで新聞販売所に並んだフィリップ殿下の死去を伝える新聞(AP=共同)
10日、ロンドンで新聞販売所に並んだフィリップ殿下の死去を伝える新聞(AP=共同)

 【ロンドン=板東和正】エリザベス英女王(94)の夫フィリップ殿下(99)が死去した。殿下は「(女王の)統治の成功に不可欠な存在」(英BBC放送)とされ、度々持ち上がった英王室内の亀裂や危機に対応する女王を常に支えてきた。ヘンリー王子(36)夫妻と他の王室メンバーとの不協和音が表面化する中、殿下が果たしてきた役割の大きさに多くの英国民が思いを寄せている。

 英メディアによると、殿下の孫、ヘンリー王子は殿下の葬儀に出席するために、居住する米カリフォルニア州から英国に一時帰国することが予想されている。王子は妻、メーガン妃(39)の同伴も検討しているが、同妃が妊娠中のため、単身で帰国する可能性もあるという。

 王子の帰国をめぐり、兄のウィリアム王子(38)や父、チャールズ皇太子(72)ら王室の主要メンバーは複雑な心境を抱いているとみられる。

 夫妻は3月7日(米国時間)に放送された米CBSの番組に出演。メーガン妃は、長男アーチー君(1)を妊娠中に王室内から「生まれてくる子の肌の色はどれくらい濃くなるのか」と懸念を示されたことを打ち明けた。王子も、長男の肌の色に関する発言を耳にして「困惑し、ショックを受けた」と述べた。

 しかし、ウィリアム王子は「われわれは人種差別的な家族ではない」と夫妻の発言に反論。米メディアによると、多様性の問題に関心が強いとされるチャールズ皇太子も同妃の主張に失望しているという。

 ウィリアム王子らの間では、夫妻が昨年、主要メンバーへの相談なしに公務からの引退を表明し、米国に移り住んだことへの不信感もくすぶっている。

 王室内の致命的な亀裂が懸念される中、和解できるかどうかは、「女王の対応にかかっている」(英王室専門家)とされる。

 ただ、女王は「心の支え」だった殿下を失ったことで、心労がたまっているとみられ、対応が十分にできない可能性もある。殿下の入院中、女王は気丈に振る舞い精力的に公務をこなしていたが、大きなストレスを抱えていたとも指摘されている。

 殿下は、王室内の問題に翻弄され続けた女王をいつもそばで見守ってきた。

 その一つが、女王の妹、マーガレット王女(2002年に死去)と離婚歴がある男性との恋愛だ。2人の恋愛は、女王の1952年の即位後しばらくして発覚し、英国内が大騒ぎになった。当時、離婚に否定的だった英国国教会は王女の結婚に反対。国教会の首長である女王は王女に同情的であったものの、立場上認められず、王女は男性との別離を選んだ。

 殿下は当時、国教会との板挟みに苦しんだ女王を支えたとされる。

 BBCのニコラス・ウィッチェル王室担当編集委員は「(殿下は)女王を支えるという自身の責務の重要性を完全かつ忠実に信じていた」と指摘。殿下と女王の信頼関係が「女王の統治の成功にとり不可欠だった」とした。

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