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エリザベス女王の「心の支え」 危機にも2人で…フィリップ殿下死去

フィリップ殿下(右)とエリザベス女王(ロイター)
フィリップ殿下(右)とエリザベス女王(ロイター)

 【ロンドン=板東和正】100歳の誕生日を目前に死去したフィリップ殿下(99)は70年近く英国を統治する妻のエリザベス女王(94)を支え、英王室が直面した困難を乗り切る際に大きな役割を担ってきた。新型コロナウイルス流行の中、王室で寄り添う2人の姿は「国民の心の支え」(王室専門家)として国民を勇気づけてきた。

 夫妻が親交を深めたのは、英海軍士官だった殿下が1939年7月にエリザベス王女(当時)の話し相手を務めたのがきっかけだった。テニスコートのネットを飛び越えて見せたフィリップ殿下に女王は恋心を抱いたといわれる。女王の初恋だったという。

 2人は出会いから8年後、女王即位前に結婚。何事にも慎重な女王とは対照的に、歯に衣(きぬ)着せぬ発言をする殿下は時に物議を醸すこともあった。しかし、女王の外国への公式訪問には常に付き添い、女王は「私の支えであり、安心の場」と語っていた。

 97年、ダイアナ元妃の事故死で英王室の支持率が低下した際、殿下は女王に助言をしてともに危機を乗り越えたとされる。欧州メディアによると、ダイアナ元妃の死後に確認された書簡では、元妃は殿下を「最愛なるパパ」と呼び、親しい関係にあった。チャールズ皇太子(72)との不仲に苦しむダイアナ元妃の相談に乗っていたともいわれる。

 英王室専門家は「外から王室に入った存在として殿下はダイアナ元妃の理解者だった」とした上で「元妃がどれだけ国民支持されているかを肌で感じ取り、王室が何をすべきかについて女王に率直な意見を述べたと推察できる」と語る。

 市民の目線を大切にしていたとされる殿下は英国民の支持も厚かった。新型コロナ禍では「医療や科学の専門家らが(新型コロナから)私たちを守るために団結して取り組んでいる」と声明で謝意を示した。ロンドンの男性市民(59)は「外出制限が続く中、国民を元気づけた」と話す。

 英王室は今も、ヘンリー王子(36)の妻、メーガン妃(39)が人種差別的な扱いを受けたと告白した問題や女王の次男、アンドルー王子(61)に少女への性的虐待事件に関与した疑惑が浮上するなど難題を抱える。

 英王室研究者の君塚直隆・関東学院大教授は「新型コロナ禍が続く中、最大の理解者であり、心の支えを失った女王の心労が懸念される」と述べた。

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