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ロシア、日米豪印の「クアッド」警戒…インドや韓国取り込み画策

ロシアのラブロフ外相 
ロシアのラブロフ外相 

 【モスクワ=小野田雄一】ロシアが日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」やその拡大を警戒し、インドの引き離しや韓国の取り込みに動いている。ラブロフ露外相は今月の訪印でインド側にクアッドへの懸念を伝え、3月下旬には、米国がクアッド陣営参加を働きかける韓国を訪れ、協調を確認した。自由・民主主義陣営のクアッドが、権威主義国家の中露に対する包囲網にならないよう、くさびを打ち込む意図がある。

 ラブロフ氏は今月6日、インドのジャイシャンカル外相との会談後の記者会見で、クアッドを念頭に「最近、アジア版NATO(北大西洋条約機構)構築の議論が出ている問題を協議した」と強調。こうした議論に関し、露印は「非生産的だとの共通の立場にある」とも主張。中国もクアッドについて、NATOのように軍事同盟化しかねない動きとみて反発している。

 ロシアは、伝統的な武器輸出相手国のインドがクアッド参加で米国との関係を深めることを警戒している。米国は、インドが露最新鋭防空システム「S400」の購入を決めたことに反発しているが、ラブロフ氏は会見で「インド側に動揺は感じられなかった」とし、露印が親密な関係にあるとアピールした。

 ラブロフ氏は訪韓に際してもクアッドへの警戒感をあらわにした。韓国の聯合ニュースによると、同氏は訪韓前の韓国記者団とのインタビューで「アジア太平洋地域の再編」を憂慮すると述べた。聯合ニュースは、韓国のクアッドへの関与への懸念表明と分析。ラブロフ氏は韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相との会談でもこうした懸念を伝えたとみられる。

 ロシアはクアッドを、東側と西側の両ブロックに分かれた東西冷戦時代のような「特定の国に対抗するブロック化の思考」(ラブロフ氏)に基づくものであると主張し、自らは米中が覇権を競う二極ではない「多極型」の世界を目指すとしている。露外務省は、露印外相会談でも「多極型世界の形成への支持を確認し合った」と発表した。

 ロシアがインドや韓国をクアッドから遠ざけようとする動きの背景には、ともに国内の人権問題で欧米からの制裁圧力にさらされる中国と共同戦線を張る狙いがある。同時にロシアは、「新冷戦」とも呼ばれる米中の覇権争いの中で自らの影響力が低下することを懸念。「多極型」を強調するのはそのためだ。

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