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【世界の論点】ウイグル「人権侵害」で制裁応酬

 中国は、米欧への対抗措置を打ち出すとともに宣伝工作も強める。中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)報道官は23日の記者会見で、対中制裁を発動した米欧各国に「人権の『裁判官』を自任し教師面をしているが、自らの人権問題では汚点が尽きない」と強調。アフリカから米州に運ばれた黒人奴隷や、ナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)などを細かく挙げてみせた。

 特に攻撃を強めているのが米国内の問題だ。中国政府は3月24日に「米国の人権侵害報告書」を発表し、米中西部ミネソタ州で昨年5月に黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官に首を圧迫されて死亡した事件や、多発する銃犯罪、米国で新型コロナウイルスによる死者が50万人を超えたことなどを列挙。米政府に対して「他国の人権状況についてとやかく言うことは、人権問題での米国のダブルスタンダード(二重基準)や虚偽性を暴露している」と批判した。自国が抱える社会問題をオープンに議論する民主主義社会の特徴を利用した攻撃手法といえる。

 一方、欧州に対しては米国の対中批判に積極的に加わらないよう圧力を強める。中国人民大学欧州問題研究センターの閻瑾(えん・きん)執行主任は4月1日付の人民日報(海外版)で、欧州連合(EU)への中国の対抗措置について「素早く、正確で、厳しい」と指摘。「EUの核心的な反中勢力に対し正確に打撃を与える」と意図を説明した。

 中国が頼りとするのはやはり自国の経済力で、中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は3月18日の会見で、EUと昨年12月に大枠合意した投資協定を持ち出し「欧州がなすべきなのは協定の一日も早い批准・発効で、中国内政への干渉ではない」と牽制(けんせい)した。環球時報の社説も「もし欧米諸国が行動をとり続ければ、中国は必ず再び報復する」と強く警告している。(北京 三塚聖平)

≪ポイント≫

 ・EUは「使い分け外交」目指したが苦境に

 ・対中包囲網への反撃の標的にされた欧州

 ・「米国が新疆を衝突点に選んだ」と中国紙

 ・自国の経済力を頼りに中国は欧米に警告

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