PR

ニュース 国際

拉致家族、つのる焦燥感 声明発表、金正恩氏にも期限強調

【北朝鮮による拉致被害者家族会合同会議】会見に臨む(左から)横田早紀江さん、横田拓也さん、救う会の西岡力会長、飯塚耕一郎さん、横田哲也さん=3日午後、東京都港区(川口良介撮影)
【北朝鮮による拉致被害者家族会合同会議】会見に臨む(左から)横田早紀江さん、横田拓也さん、救う会の西岡力会長、飯塚耕一郎さん、横田哲也さん=3日午後、東京都港区(川口良介撮影)

 北朝鮮による拉致被害者家族会、支援組織「救う会」が3日の合同会議で定めた新たな運動方針と、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記へのメッセージでは、いずれも「期限」に触れ、残された時間の少なさを重ねて訴えた。新型コロナウイルス禍で、膠着状態が強まる中、家族らの焦燥感はかつてないほど高まっている。

 「東京では桜が散ったが、桜の花を見ると、姉が寂しげな表情で新潟の中学校の桜の木の下で写る写真を思い出す」

 横田めぐみさん(56)=拉致当時(13)=の弟、拓也さん(52)は会議後の会見で心境をこう述べた。そして、「40年以上もたってまだ解決できていないという、時の重さを、ひしひしと感じる」と続けた。

 今回の運動方針では、日朝首脳会談の早期実現を要望したうえで、政府に対し、「(被害者の)生存情報、所在情報をより多く蓄積し、会談に備えてほしい」と併せて求めた。

 北朝鮮はこれまで、「死亡した」と説明しためぐみさんらについて、物証として偽の遺骨を提出するなど嘘を重ねてきた。今後、会談が実現しても、北朝鮮が再び虚偽の説明をしてくる可能性は十分にあり、矛盾を指摘できる証左を持ち合わせておく必要性を指摘したものだ。

 救う会の西岡力会長は「会談実現は1つ目の山でしかなく、実際の交渉で何を話すか。具体的に想定し、そのために時間を有効に使ってほしい」と話す。

 「われわれは、絶対にあきらめないという態度を示し続ける」。この日の会議冒頭、田口八重子さん(65)=同(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(82)は、決意を口にした。一方で、その後すぐに会場を後にするなど昨今、体調は優れない。昨年手術を受け、会議の参加自体を見送った家族もいる。

 焦燥感は同時に公表した金総書記へのメッセージにもにじむ。

 「拉致被害者と静かな日常生活を送ることを切望している。帰還した被害者やその家族に秘密の暴露を求めるつもりはない」などと、一昨年2月の1回目の作成当時から変わらぬ思いを強調。ただここでも、親世代と被害者との再会実現が「期限」と書き添えた。

 北朝鮮は今年3月、約1年ぶりに弾道ミサイルを発射するなど、国際社会を威圧する瀬戸際外交の色合いを強めている。「直接、北朝鮮に行って家族を取り返したい」。新型コロナで膠着の度合いを深める拉致に、公にはしないもののそんな考えを打ち明ける家族もいる。

 八重子さんの長男、飯塚耕一郎さん(44)は、「コロナ以外の話題が沈下している状況で、改めて思いを掲げた。政府には期限に触れた意味を理解してもらい、しっかりと声を出してほしい」と述べた。

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ