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中国外相、トルコ訪問 エルドアン氏、投資とワクチン目的でウイグル政策を転換

 【カイロ=佐藤貴生】中東6カ国を歴訪している中国の王毅(おう・き)国務委員兼外相は25日、トルコを訪れ、チャブシオール外相と会談した。「世界のイスラム教徒の守護者」を自任するトルコのエルドアン大統領は、中国の弾圧を逃れて亡命するウイグル族を保護してきたが、ここ数年は取り締まりの強化に乗り出している。投資や新型コロナウイルスのワクチン供給への期待から、対中関係を重視するためだとも指摘される。

 トルコ最大都市イスタンブールなどでは、今月上旬にも中国の弾圧に抗議する亡命ウイグル人らのデモが行われた。王氏のトルコ訪問を受け、中国国内で親類などが行方不明になったとするウイグル人の非難が高まることは必至だ。

 エルドアン氏は2009年、中国ではウイグル人が「大量虐殺」されていると批判。トルコ人と民族的に近く、イスラム教徒が多数を占める中国の少数民族ウイグル族の亡命を受け入れてきた。トルコにはウイグル人が約5万人居住しており、世界で最も多い国の一つだ。

 しかし、エルドアン政権は家宅捜索や身柄拘束など国内のウイグル人の締め付け強化に転じている。トルコでは今月22日、通貨リラが対ドルで急落するなど経済低迷が続いており、中国の投資を呼び込む狙いもうかがえる。また、トルコは中国から新型コロナワクチン1500万回分の供給を受けるなど、コロナ対策でも中国に依存している。

 在トルコの50代のジャーナリストは「ウイグル族弾圧で欧米の対中批判が高まるなか、エルドアン氏は配慮を強調して中国を友人として引き止めたい考えだ」との見方を示した。

 トルコと中国の間では、犯罪人引き渡しに関する2国間条約の発効に向けた動きが進んでいる。トルコのチャブシオール外相は条約により亡命してきたウイグル族を中国に強制送還する意図はないとしているが、トルコのウイグル人の間では欧州へ移住する動きも出るなど警戒感が高まっている。

 中国の投資やワクチンへの期待が、「イスラム教徒の保護」というエルドアン氏の重要政策を揺るがしている格好だ。

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