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本格的挑発を再開、対米先制狙う正恩氏 「行動対行動」で米韓揺さぶり

北朝鮮の金正恩総書記=23日、平壌(朝鮮中央通信=共同)
北朝鮮の金正恩総書記=23日、平壌(朝鮮中央通信=共同)

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は25日、約1年ぶりに弾道ミサイルを発射し、本格的な軍事的挑発を再開させた。1月の朝鮮労働党大会で金正恩(キム・ジョンウン)総書記が宣言した軍備増強路線を目に見える形で示し、バイデン米政権に、核・ミサイル開発では一歩も引き下がらない姿勢を見せつけたといえる。対北朝鮮政策の見直しを進めるバイデン政権の機先を制そうとする狙いも垣間見える。

 北朝鮮は、低空を滑空するなどして迎撃が難しい複数の新型短距離弾道ミサイルの発射実験を繰り返し、開発を加速させてきた。だが、昨年3月29日を最後に弾道ミサイルの試射がぴたりとやむ。

 一つには、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で軍部隊の演習自体がままならなくなったという事情があるようだ。金氏自身、公の場に一時、姿を見せなくなり、健康不安説まで浮上した。さらには、昨年11月の米大統領選への影響を考慮したとみられる。

 あからさまな軍事的挑発を続けると、金氏が親交ぶりを誇示してきたトランプ前大統領の足を引っ張るとの計算が働いた可能性がある。バイデン氏が当選を確実にした後も北朝鮮メディアによる対米非難を封印し、米新政権の出方をうかがってきた。

 金政権が本格的な挑発再開の契機と位置づけていたのが、米韓両軍が今月8~18日に韓国で行った合同指揮所演習だったと考えられる。

 北朝鮮で対米外交を担う崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は17日付談話で、米韓演習を非難し、米国が北朝鮮への「敵視政策を追求する中で、われわれが何をするかよく考えてみる方がよい」と指摘。「われわれは既に強対強、善対善の原則で米国を相手にすると明言している」と警告した。

 金氏は1月の党大会で「新たな朝米関係樹立の鍵は、米国が敵視政策を撤回することにある」とし、この「強対強」の原則に言及していた。つまり「圧力には圧力」といった「行動対行動」でバイデン政権に対処するとの宣言だ。敵視政策撤回とは、米韓演習や米戦略兵器の韓国での展開にとどまらず、究極的には在韓米軍の撤退を指すとも読み取れる。

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