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バイデン政権の出方探る北…「挑発の始まり」にすぎず

北朝鮮の市・郡の責任書記を集めた初の講習会で、開講の辞を述べる金正恩総書記=3日、平壌(朝鮮中央通信=共同)
北朝鮮の市・郡の責任書記を集めた初の講習会で、開講の辞を述べる金正恩総書記=3日、平壌(朝鮮中央通信=共同)

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は1月のバイデン米政権発足後初のミサイル発射に踏み切った。ただ、日米韓を即刺激する弾道ミサイルではなく、短距離の巡航ミサイルにとどめており、バイデン政権の反応を探る狙いもうかがえる。米国の出方次第では、いつでもさらなる軍事的挑発に乗り出せるとのメッセージとも読み取れそうだ。

 北朝鮮による巡航ミサイル発射が確認されたのは昨年4月以来。

 北朝鮮はその前月には、4回もの新型短距離弾道ミサイルの試射を繰り返した。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が親交ぶりを誇示していたトランプ米前大統領は、短距離弾道ミサイルの試射なら問題視しない立場を取っていたからだ。

 北朝鮮はその時期よりも「低レベル」の軍事的挑発に抑えていることになる。

 米韓両軍が今月8~18日に行った合同指揮所演習を正恩氏の妹、金与正(ヨジョン)党副部長が非難しつつも、バイデン政権に対しては「眠りを妨げるまねをしない方がよい」との忠告にとどめた。

 北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官もバイデン政権からの接触を「無視する」と17日付の談話で表明したが、あしざまにバイデン政権を批判する文言はなかった。正恩政権がいつになく、米新政権の出方を慎重に探ろうとする様子が浮かぶ。

 正恩氏は一方で、1月の党大会で、米国は「最大の主敵」と明言し、軍備増強と新兵器開発を打ち出している。新型コロナウイルスの防疫上、軍事訓練に制約がある中でも、軍の士気を保つためには新兵器の試射を先送りし続けられない。

 ただ、正恩氏は今回の巡航ミサイル発射を視察しなかったとみられている。北朝鮮メディアが24日に報じたのは、正恩氏が前日に平壌市内に住宅1万戸を建設する着工式に出席したことだ。新型コロナ対応で経済が逼迫(ひっぱく)する中、住民生活の改善を優先する姿勢を示す必要性にも迫られている。

 米韓両当局は今回、国連安全保障理事会決議が禁じる弾道ミサイルでなかったこともあり、メディアが報じるまで発射の事実を公表せず、北朝鮮の動きを静観する構えを崩していない。

 北朝鮮のミサイル基地などでは最近、人や車両の活発な動きが捕捉されてもいる。韓国の専門家は、巡航ミサイル発射は挑発の「始まりにすぎない」との見方を示す。米韓の対応によっては、北朝鮮が軍事的挑発を徐々にエスカレートさせる事態も否定できない。

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