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英、核弾頭保有上限引き上げ 米国との「特別な関係」強化も狙いか

記者会見するジョンソン英首相=2020年12月24日、ロンドン(ゲッティ=共同)
記者会見するジョンソン英首相=2020年12月24日、ロンドン(ゲッティ=共同)
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 【ロンドン=板東和正】ジョンソン英政権が新たな外交・安全保障政策の指針「統合レビュー」で、冷戦終結後進めてきた核軍縮方針を転換した。ロシアや中国の核戦力増強を受けた抑止力向上が最大の理由だ。同時に、欧州連合(EU)を離脱し「グローバル・ブリテン」を目指す中で、米国との「特別な関係」強化を図る狙いも指摘される。

■核軍縮「主導」を転換

 英政府は16日に発表したレビューで、核弾頭保有数の上限を現行の削減目標の180発から260発に引き上げる方針を示した。引き上げは冷戦後初めて。

 1952年に初の核実験を実施した英国は米国とソ連に次ぐ3番目の核保有国となり、70年代には500発の核弾頭を保有した。だが、冷戦終結後は積極的に核軍縮を推進してきた。核弾頭の保有数上限を段階的に削減し現在、核拡散防止条約(NPT)が定める米露など核保有国5カ国で、英国は最少だ。運搬手段も、5カ国で唯一、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)のみに絞った。

 核弾頭解体の研究も進め2008年、ブラウン国防相(当時)は技術的分野で「英国がリードする用意がある」と、世界の核軍縮への貢献を強調した。

 野党は今回のレビューがこれまでの核軍縮の取り組みに逆行し、新たな核軍拡競争を招くと懸念。野党、労働党のスターマー党首は議会で「核保有削減という歴代首相や超党派の努力目標を破棄した」と声を荒らげた。

■「究極の保険」

 一方、ジョンソン首相は「信頼できる核抑止力を持つことが最も重要」と主張し、理解取り付けに努める。引き上げるのは上限であって保有数の「目標ではない」(政府報道官)とし、ラーブ外相は「究極の保険」だと訴えた。

 レビューは特定国を名指ししていないが、ロシアと中国が念頭にあるとみられる。米露間の中距離核戦力(INF)全廃条約は19年に失効し、ロシアは核戦力を増強している。中国は米国が模索する軍備管理に応じず、核戦力を今後10年で倍増させるとの見積もりもあり、欧州への影響も予想される。

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