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【北京春秋】スモッグが晴れない理由

15日午前、大規模な黄砂に襲われた北京市中心部。「過去10年で最強」ともいわれ、大通りを挟んだ近くのビルもかすむほどだった(三塚聖平撮影)
15日午前、大規模な黄砂に襲われた北京市中心部。「過去10年で最強」ともいわれ、大通りを挟んだ近くのビルもかすむほどだった(三塚聖平撮影)

 「見て、外が黄色い!」

 15日朝、妻の叫び声で目覚めた。何事かと寝室の窓から屋外を見ると、確かに北京の街は不気味な濃い黄色に染まっていた。中国北部の広い範囲が大規模な黄砂に襲われたのだった。

 市中心部では粒子状物質「PM10」の濃度が1立方メートル当たり8千マイクログラムを突破し、「過去10年で最強」とも言われた。香港紙によると中国の基準の115倍に達したといい、大気汚染の程度を示すスマートフォンのアプリは「測定不能」に。「今日は命を削って出勤だ」という悲鳴も耳にした。昨年は新型コロナウイルスの感染対策で経済活動にブレーキがかかり、大気汚染が改善していただけに深刻さが鮮明だった。

 今月前半に全国人民代表大会(全人代)が北京で開かれたが、その間もスモッグの目立つ日が続いた。全人代期間中は北京周辺で工場を操業停止し青空を演出することが常だったが、今年はコロナ禍からの景気回復を進めるために余裕がなかったとの指摘もあった。

 数年前、北京っ子の男性に「全人代の時に北京が青空になる理由が分かるか?」と質問されたことがある。答えは「吹牛(ほら吹き)が集まってスモッグも吹き飛ばすからだ」という庶民が好むジョークだったが、彼に言わせれば今年はほら吹きの力も及ばなかったのだろう。(三塚聖平)

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