PR

ニュース 国際

【アイ・ラブ・ニューヨーク】気取らぬ「市民の公園」

 この1年間、ニューヨークらしいことは全くできなかった。ブロードウェーの劇場街は閉まったままだし、レストランも長らく営業していなかった。ふさぎ込む気持ちを奮い立たせてくれたのは、自宅アパートから徒歩10分の距離にあるセントラルパークだ。

 ニューヨークに住んで5年近くになるが、これほどありがたさを感じたことはない。緑を見ていると不安感はなくなり、お日さまにあたるだけで気分は高まる。さらにコロナ禍で演奏の場をなくしたミュージシャンが集まり、あちこちから心地よい音楽が流れてくるという、ぜいたくさだ。

 最初のころはお気に入りのヨガウエアに着替えて散歩していたが、周りを見渡すと、パジャマのような格好の人が目立つ。飾らず気取らず。私の散歩着も次第に適当になっていった。

 セントラルパークの建設が始まったのは南北戦争(1861~65年)に先立つ時期で、世相が暗い中での緑地化構想だった。設計者の故フレデリック・ロー・オルムステッド氏はヨーロッパ風の豪華な庭園ではなく、「あらゆる階層の人が混在する市民の公園」にこだわったとされる。

 貧富の差や人種の違いに関係なく、みんなが思い思いの時間を過ごす。私が思い描いてきたニューヨークの風景は身近なところにあった。(上塚真由)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ