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「世界最速」露ワクチン、自国接種はまだ3% 根強い不信 

ロシア製の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」を手に取るセルビア・ベオグラードの医療関係者=1月6日(ロイター)
ロシア製の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」を手に取るセルビア・ベオグラードの医療関係者=1月6日(ロイター)

 【モスクワ=小野田雄一】新型コロナウイルスの国産ワクチンを「世界で最初に開発した」と豪語するロシアで、ワクチン接種があまり進んでいない。これまでに少なくとも1回のワクチン接種を受けた国民は3%台にとどまり、欧米や中東諸国とは大きな差が出ている。ロシアが「世界初」にこだわり、大規模な治験(臨床試験)を省略してワクチンを承認したことが国民のワクチン不信につながっているようだ。

 露政府は昨年8月、治験最後の第3段階を行わないうちに自国産ワクチン「スプートニクV」を承認。12月から医療従事者らを対象とした大規模接種を開始し、今年1月からは対象を全国民に拡大した。接種は無料だ。

 「スプートニクV」には当初、安全性などについて諸外国から疑問の目が向けられた。だが、世界的権威である英医学誌ランセットが2月初頭、「約92%の予防効果が確認された」とする最終段階の治験結果を掲載し、プーチン露政権には追い風となった。ロシアは「ワクチン外交」に邁進(まいしん)しており、欧州連合(EU)加盟国からもロシア製ワクチンに引き合いがある。

 しかし、皮肉にもロシア国内での接種は遅れている。英統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、3月14日時点で少なくとも1回のワクチン接種を受けた露国民の割合は3・8%にとどまっている。

 最大の理由だと考えられているのは、国産ワクチンに対する国民の根強い不信だ。ロシアの独立系世論調査機関「レバダ・センター」が2月に行った調査によると、「スプートニクVを接種する考えがある」と回答した人は約30%だった。接種に否定的な理由としては「副反応が怖い」(37%)、「治験の最終結果を待つ必要がある」(23%)などが挙げられた。

 医療関係者の一人は英BBC(露語電子版)に、「時期尚早にワクチンが承認された段階で信頼が損なわれてしまったようだ」と語った。

 ロシアでの1日あたりの新規感染者数が昨年12月の約3万人から約1万人まで減少していることも、国民がワクチン接種の必要性を強く認識しない理由だと考えられている。一部地方ではワクチン供給の遅れが指摘されているが、全体としてワクチン供給は足りており、供給の遅れが低い接種率の原因ではないとされる。

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