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「われわれに武器を」…ミャンマー・デモ隊、動かぬ国際社会に焦燥感 

15日、ミャンマーのマンダレーで、バリケードの手前に隠れる抗議デモの参加者(ロイター=共同)
15日、ミャンマーのマンダレーで、バリケードの手前に隠れる抗議デモの参加者(ロイター=共同)

 【シンガポール=森浩】国軍がクーデターで実権を握ったミャンマーで、弾圧を強める国軍に抵抗するデモ隊の中に焦燥感が広がりつつある。国際社会は繰り返し暴力に懸念を表明するが、国軍に具体的な圧力をかける動きが乏しいためだ。今後、デモ活動が過激化していく可能性は否めず、大規模衝突に発展する懸念も高まっている。

 「テロリストの攻撃が止むことはない。そして私たちは戦い続けるしかない」

 14日に最大都市ヤンゴンで抗議デモに参加していた男性(30)は産経新聞通信員にこう話し、悲壮感を漂わせた。「テロリスト」とはデモ隊に武力行使を続ける国軍を指す。男性は「長期化は間違いない」とも口にした。

 2月1日のクーデターから1カ月半が過ぎ、国軍の弾圧は強まり、状況は悪化の一途をたどる。地元人権団体によると、15日までにデモ隊の183人が死亡した。国内の様子をカトリック教会のヤンゴン大司教は「戦場のようだ」と表現している。

 デモ隊が期待するのは国際社会の圧力だ。国連安全保障理事会は10日の議長声明で「暴力を強く非難する」と指摘したが、国軍に融和的な中国などの反対でクーデターへの直接の批判はなかった。東南アジア諸国連合(ASEAN)も内政不干渉の原則から踏み込んだ対応には消極的だ。

 SNS上では「何度、『深い懸念』を表明するのか」「われわれ(デモ隊)に武器を送ってほしい」との声が上がる。国連は2005年、国家による犯罪で人権弾圧に直面する国民について国際社会が「保護する責任」を負うと確認した。デモ隊には、この考えをもとに軍事的介入を求める意見もあるほどだ。

 14日には中国系縫製工場が放火される事件が発生。犯人は不明だが、しびれを切らせた一部デモ隊が反発を強めている可能性がある。関連は不明だが、カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは16日、取引先の2工場が放火されたと明らかにした。

 民主派議員らでつくるミャンマー連邦議会代表委員会(CRPH)幹部は13日の声明で、「この革命はわれわれが力を合わせることができるチャンスだ」と発言。国軍への抵抗を促しており、平和的だった抗議が先鋭化していく可能性がある。

 一方、国軍はこうしたデモを力で押さえ込む姿勢を鮮明にした。14~15日にはヤンゴンの6地区に戒厳令を出し、行政、司法の権限を地域の軍司令官に移譲させた。16日付の国営紙によると、軍法会議が設置され、政府への不信をあおる行為は最高で死刑が科され、上訴も認められない。

 国軍は27日の「国軍記念日」に権威を誇示するため大規模な軍事パレードを計画しており、抗議活動をそれまでに沈静化させるため、さらに強硬に出る可能性もある。

 「テロリストの思惑通りにさせていはけない。国際社会が立ち上がってほしい」。ヤンゴンの会社員、ウィンさん(29)はそう訴えた。

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