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金与正氏「レッドライン越えた」と米韓演習非難 米政権に忠告

金与正氏
金与正氏

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(ヨジョン)党副部長は15日付の談話で、米韓両軍が8~18日の日程で韓国で行っている合同指揮所演習について北朝鮮を狙った「侵略的な戦争演習」だと非難した。「レッドライン(越えてはならない一線)を越えるふぬけな選択をしたと気づくべきだ」と韓国に警告し、対韓窓口機関などの廃止の検討や、軍事分野での南北合意を破棄する可能性に言及した。

 16日付の党機関紙、労働新聞に掲載された談話で、与正氏は、バイデン米政権に対しても「われわれの地に火薬のにおいを漂わせたくてたまらない米新政府にも一言忠告する」とし、「今後4年間、ぐっすり眠りたいなら、最初から眠りを妨げるまねをしない方が良い」と述べた。

 北朝鮮が直接バイデン政権に向けたメッセージを公表するのは初めて。米国が16日に日本と、18日に韓国とそれぞれ外務・防衛担当閣僚による安全保障協議(2プラス2)を開く直前のタイミングで米韓両政府を牽制(けんせい)した形だ。

 ただ、韓国には祖国平和統一委員会や金剛山(クムガンサン)国際観光局など南北の対話や経済協力を担う部署の廃止まで示唆する強い警告を発したのに対し、バイデン政権へは「忠告」にとどめ、対応のレベルに強弱を付けた。

 正恩氏が1月の党大会で演習中止を迫ったことを受け、韓国では文在寅(ムン・ジェイン)大統領が演習に関し「北朝鮮と協議できる」と発言。与党議員らが演習延期を求める声明を出した。残り1年余りの任期内での南北対話再開に前のめりになる文氏の弱みに付け入り、米韓の足並みの乱れを誘おうとする北朝鮮の狙いがうかがえる。

 今回の演習はコンピューターシミュレーションによる訓練が主で、大規模な野外機動訓練を見送ったが、与正氏は「形式が変わっても同族を狙った侵略戦争演習の本質は変わらない」と指摘。韓国は「『戦争の3月』『危機の3月』を選択した」とも批判し、3度の南北首脳会談が行われた2018年を念頭に「3年前の春の日に戻るのは容易でないだろう」と強調した。

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