ナワリヌイ氏の収監先は「本物の強制収容所」 生活や心境明かす

【モスクワ=小野田雄一】ロシアの刑務所に収監された反体制派指導者、ナワリヌイ氏は15日、支援者の協力でSNS(交流サイト)のインスタグラムに投稿し、「本物の強制収容所」にいることを明らかにした。頭髪を短く刈り込まれた同氏の写真も投稿されている。
ナワリヌイ氏はその中で、厳しい管理で知られる西部ウラジーミル州の刑務所にいると証言、「モスクワから100キロの場所に本物の強制収容所を建設できるとは想像もしていなかった」とコメントした。数限りないルールが義務付けられ、汚い言葉や隠語の使用が厳格に禁じられているほか、ビデオで常に監視され、僅かな違反でも報告書が作成されるとした。
同氏は「上層部の誰かが(思想管理社会の恐怖を描いた)オーウェルの『一九八四年』を読み、『すばらしい。これを作ろう。人間性の抹殺による教育だ』と言ったのだろう」と皮肉。その上で「ユーモアをもって全てを見れば生きていける。大まかに言えば、私は大丈夫だ」と述べた。
ナワリヌイ氏は2月、禁錮2年6月の実刑が決まった後、拘置施設から移送されたが、収監先の刑務所が分からなかった。