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独「メルケル後」占う2州議会選 14日投票、後継レースに影響も

ドイツのメルケル首相(ロイター=共同)
ドイツのメルケル首相(ロイター=共同)

 ドイツで14日、メルケル首相退陣後の行方を占う州議会選が西部2州で行われる。首相の中道右派与党、キリスト教民主同盟(CDU)のラシェット党首には、今年1月の就任以降、最初の試金石となる。結果次第ではラシェット党首の「首相後継」のシナリオが大きく揺らぐ可能性もある。(パリ 三井美奈)

 2州のうちバーデン・ビュルテンベルク州は、自動車大手ダイムラーやポルシェ、部品メーカーのボッシュが本社を構える産業地域。かつてはCDUの牙城だったが、前回2016年の州議会選挙で環境政党「緑の党」がCDUを抑え、第1党になった。現在は両党の連立政権が州政治を担う。

 緑の党のクレッチマン州首相は、党内の原理主義的な勢力とは距離を置く「現実派」。水素燃料、電気自動車(EV)を推進し、環境と経済のバランスをとる。州首相の人気は高く、州内世論調査で緑の党の支持率は30%以上。第2与党のCDUに8ポイント前後の差をつけて首位に立つ。

 州議会選が注目されるのは、同州の緑の党とCDUの連立が9月の連邦議会選後の国政の連立モデルになるとみられるからだ。

 メルケル政権はCDUと姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)、中道左派の社会民主党(SPD)の大連立だ。だが、気候変動や新型コロナウイルス流行の影響で、国民の自然環境に対する意識が高まり、緑の党の支持率が全国で20%前後に急上昇する一方、SPDは16%に低迷。CDUは国政でも緑の党の協力が必要になる可能性がある。

 フライブルク大のウルリヒ・アイト教授は「同州では緑の党がCDU支持層を吸収している。州選挙で緑の党が大勝すれば、CDUのラシェット党首は移民や女性政策、環境保護で(緑の党に)大きく歩み寄るだろう」と予想する。

 国政に直結するのは、14日に行われるラインラント・プファルツ州議会選も同じ。中道右派陣営では両州の選挙後、連邦議会選挙に向け統一首相候補選びが本格化するが、CDUが両州で惨敗すれば、ラシェット氏は党首就任から2カ月足らずで将来を大きく危ぶまれることになり、CSUのゼーダー党首を統一候補に擁立する動きが加速する可能性がある。

 CSUは南部バイエルン州の地域政党だが、過去の選挙で統一首相候補を出したことがある。

 折から、ドイツではCDUとCSUの連邦議員が、「マスク取引仲介料」を受け取っていた疑惑が発覚。ラシェット氏にとっては最悪のタイミングだ。テレビで「私腹を肥やした人は一刻も早く議会を去れ」と訴えるなど、強い危機感をみせている。

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