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「通常戦力の対中抑止力が崩壊しつつある」米太平洋軍司令官が警告 

 【ワシントン=黒瀬悦成】米インド太平洋軍のデービッドソン司令官は9日、上院軍事委員会の公聴会で証言し、中国がインド太平洋地域で軍事力を急速に増強させているせいで「通常戦力による対中抑止力が崩壊しつつあり、米国および同盟諸国にとって最大の危機となっている」との認識を示した。

 デービッドソン氏は「インド太平洋地域での軍事バランスは米国と同盟諸国に一層不利となっている」と指摘し、「軍事的不均衡によって中国がつけ上がり、一方的な現状変更を目指すリスクが高まっている」と危機感を表明した。

 同氏によれば、中国が軍備の近代化の目標とする時期について当初の2035年から人民解放軍創立100年にあたる27年に前倒しし、49年末までに「世界水準」の軍に変貌させようとしていると指摘。特に海軍と空軍の拡充に力を入れ、20年だけでも戦略原潜2隻を含む主力艦25隻を就役させた。

 中国の核戦力が向こう10年間で倍増するとの見通しも明らかにした。

 また、「中国は、ルールに基づく国際秩序を主導する米国に取って代わろうとの野心を一層強めている」と指摘し、今後6年間のうちに中国が台湾に軍事攻撃を仕掛ける恐れがあるとの認識を示した。

 同氏はその上で、「インド太平洋地域における米国の抑止態勢をめぐる能力と意思を明示し、中国に対して軍事力行使による目標達成は代償が極めて大きいことを思い知らせる必要がある」と強調した。

 また、中国の周辺で武力紛争が発生した場合、米海軍が米西海岸を発って沖縄とフィリピンを結ぶ「第1列島線」に到達するのに約3週間かかると指摘。それまでは敵前上陸能力を含む高度な戦闘能力を有する自衛隊への期待を表明。「日本は地域におけるナンバーワンの同盟国であり、地域の安全保障に死活的に重要だ」と強調した。

 日米とオーストラリア、インドによる「クアッド」については「民主主義諸国のダイヤモンドだ」と評価し、国防・安全保障分野での調整機能にとどまらず、「世界経済や国際秩序をめぐる連携など、多様な懸案に対処する枠組みとなり得る」と強調した。

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