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ローマ教皇、紛争続いたイラクを初訪問へ シーア派指導者とも会談

2019年11月の訪日時にミサを行ったローマ教皇フランシスコ=長崎市の長崎県営野球場(彦野公太朗撮影)
2019年11月の訪日時にミサを行ったローマ教皇フランシスコ=長崎市の長崎県営野球場(彦野公太朗撮影)

 【パリ=三井美奈】ローマ教皇フランシスコ(84)は5~8日、歴代教皇として初めてイラクを訪問する。テロや新型コロナウイルスの脅威が続く中、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の拠点だった北部モスルなどを訪れ、宗教、宗派を超えた和解を訴える。

 教皇は6日、首都バグダッドから中部ナジャフに入り、イスラム教シーア派最高権威のシスタニ師を表敬訪問。その後、旧約聖書に登場する預言者アブラハムの生誕地ウルで、宗教間対話に臨む。アブラハムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教に共通する「信仰の父」。教皇の平和外交を象徴する場となる。7日には、モスルに続いてクルド人自治区アルビルを訪れ、ミサを行う。

 バチカン放送によると、イラクのカトリック教徒は現在、30万~40万人。2003年のイラク戦争開戦時と比べ、約4分の1に減った。この戦争に続く紛争とテロ、さらにISによる14年の「国家樹立」宣言で、多くのキリスト教徒が犠牲になり、亡命者も相次いだ。教皇のイラク訪問は、中東でカトリック教会の再興を促す機会となる。

 イラクはIS敗走後も安定とは程遠く、バグダッドでは1月、自爆テロで約30人が死亡。クルド人自治区でもロケット砲攻撃があった。新型コロナ感染も広がるが、教皇は2月、キリスト教系メディアとの会談で「私は苦しむ人たちの司祭だ」と述べ、訪問への強い意欲を示した。

 教皇は19年、アラブ首長国連邦(UAE)の訪問中、イスラム教発祥地であるアラビア半島で史上初の大規模ミサを実施。16年には、エジプトにあるスンニ派最高権威、アズハル機構のタイイブ議長と初会談に臨んだ。イスラム圏との交流にかける強い思いの背景には、教皇名の由来となった聖人の存在があるとされる。「アッシジのフランシスコ」は13世紀、カトリックの十字軍に失望し、イスラム陣営の指導者に直接会いに行った逸話が残る。

 教皇の外遊は、19年11月の日本訪問以来、1年3カ月ぶりとなる。

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